第31期女流王位戦五番勝負第1局

2020年6月 5日 (金)

ご観戦ありがとうございました

以上で本局の中継を終了します。ご観戦ありがとうございました。

Dsc_15731 (里見香女流王位)

(睡蓮)

感想戦

Dsc_15561 (感想戦。中央は観戦記担当の鈴木宏彦さん)

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(睡蓮)

終局直後

Dsc_15141 (防衛に向けて幸先のよいスタートを切った里見香女流王位)

Dsc_15191 (敗れた加藤桃女流三段)

Dsc_15351 (勝者の里見香女流王位から主催者インタビューに応じる)

◆里見香女流王位の談話◆
――4月に予定されていた開幕が2ヶ月ほど延びての対局となりました。この2ヶ月をどのように過ごして、今日、盤の前に座りましたか?

里見香 対局の間隔がかなり空いていて、実戦感覚の面では不安はありましたが、準備の面では自分のペースで勉強できていました。 

――本局は先手中飛車から、かなり早い段階で端攻めに出ました。

里見香 1歩手に入ったので、攻めていってどうなのかなと。

――控室では、後手の△1四香(52手目)はうまい受けではないかという評判でした。この辺りはどのように感じていましたか?

里見香 全部の駒を使ったうえで端攻めができていたので、難しいながらも面白いのかなと思っていました。

――その後は後手もしぶとい受けで応戦してきました。

里見香 そうですね。すぐにはっきりよくする順が見つからなかったので、途中はちょっとおかしなところがあったかもしれません。難しいと思って指していました。

――△6七飛成(86手目)に▲3三角成といったところは随分華々しい切り合いでしたが、あの辺りはいかがでしたか?

里見香 ちょっといいのかなと思って、いきました。こちらへの有効な攻めが見当たらないかなと思っていたので。

――手応えを感じたのはどこでしょうか?

里見香 最後の最後ですね。▲2五銀(95手目)と打って、こちらに迫ってくる手がないのかなと。

――開幕直前には持ち時間4時間の将棋で全力を出したいと話していましたが、本局、久しぶりのタイトル戦はいかがでしたか?

里見香 途中の分岐点ではどちらを選ぶべきか微妙なところもありましたが、一手一手しっかり考えて指すことができたと思います。

Dsc_15471(続いて、加藤桃女流三段)

◆加藤桃女流三段の談話◆

――序盤は早いペースでの進行でした。最初にまとまった時間を使った△7四歩(38手目)までは想定の範囲内でしたか?

加藤桃 後手番になったら、里見さんのほうは中飛車をやってくると予想して、漠然とこんな感じかなと思っていました。△7四歩に21分使ったのは、作戦の分岐点かなと思ったので。……そうですね、ちょっと、研究範囲ではあったんですけど、自分の指したい手を優先してしまって。端を攻められたのが意表を突かれたというか、びっくりして。

――△1四香(51手目)や△3三桂(60手目)は、苦心がうかがえながらも加藤女流三段らしい柔軟な対応ではないかという控室の評判でした。ご自身では局面をどのように認識していましたか?

加藤桃 そうですね。確かに▲4五歩(50手目)が予想外だったので、△1四香で受けきれるのかなと思っていたんですが、実際によく考えてみると難しくて、本譜はあまり本意ではない指し方になって、支離滅裂になってしまいました。

――昼食休憩の前後は、難しいと思って指していたということですか?

加藤桃 昼食休憩の辺りは少しだけいいのかなと思っていましたが、うまい手を見つけることができなくて焦っていたというか。何か悪かったかなと思って、開き直って指していました。

――△6七飛成▲3三角成の辺りはどのように見ていましたか?

加藤桃 里見さんの▲4八金(81手目)がすごくいい手で、△1二歩(80手目)が悪手だったということを知って後悔していました。里見さんのほうから▲1二歩と垂らされるのを嫌って打ってしまったんですけど、もう少しほかの手を探さないといけませんでした。

――開幕前のインタビューでは、力いっぱい指したいと語っていました。第1局を終えて、いかがですか。

加藤桃 少し崩れたところで粘ることはできましたが、全体的に、魔法にかかってしまったような感じであっという間でした。

(睡蓮)

里見香女流王位が先勝

20200605b_4 五番勝負第1局は、図の局面までで里見香女流王位の勝ちとなりました。終局時刻は17時51分。消費時間は、▲里見香女流王位3時間16分、△加藤桃女流三段3時間50分。

(康太)

「か、堅い」

20200605p17時36分、△3六桂に対して里見香女流王位が持ち駒の金を2七に打ちつけると、中村太七段から「か、堅い」と声が出ました。以下△4八桂成は、▲4三香成ではっきり先手勝ちです。▲2七金打は決め手に近いかもしれません。

Dsc_14661 (里見香女流王位)

(睡蓮)

控室の検討陣

20200605o図は17時15分頃の局面。加藤桃女流三段は、まとまった時間を投入して追いすがる術を模索しています。控室には日本将棋連盟会長の佐藤康光九段と同常務理事の清水市代女流七段が続けて来訪しました。

Dsc_15061 (中村太七段と継ぎ盤を挟む佐藤康九段)

Dsc_15081 (先手の里見香女流王位優勢という見立てに同意していた)

Dsc_15101 (しばらくして、「あれ? 会長いた」という言葉とともに清水女流七段の姿が。すぐに検討の輪に加わった)

(睡蓮)

里見香女流王位が優位に

20200605n図は16時45分頃の局面。控室の中村太七段は、先手優勢という見方になってきました。後手はここで先手玉に対して何かラッシュをかけられればよいですが、(1)△2四桂は▲2七玉で足りなさそう。また、(2)△4六角には構わず▲3三銀が厳しいようです。

Dsc_14641 (里見香女流王位が勝利に近づいていると思われる)

(睡蓮)

切り合いに

20200605m_2図は16時30分頃の局面です。後手が6四の飛車を6七に成ったのに対し、先手は7七の角で3三の銀を取って切り込んでいきました。「(少し前の段階では)もうちょっとじっくりした順もあったと思いますが、急に切り合いになりましたね」と中村太七段。△3三同金に▲2五桂や▲4五桂が厳しい手ですが、後手にもどこかで△2四桂や△4六角などから反撃する筋があります。一気に終盤戦に入りそうです。

Dsc_14851_2 (加藤桃女流三段)

(睡蓮)

勇気のある人

20200605l15時50分頃、里見香女流王位が42分の熟考で▲1五香(図)と走りました。「勇気のある人ですね」と中村太七段。後手からいつでも△1六桂と打てる形になるだけに、しっかりとした読みの裏づけが必要な一手です。消費時間はともに2時間40分ほどと、ほぼ並びました。

Dsc_14711 (里見香女流王位)

(睡蓮)

木村一基王位が控室に

15時20分頃、控室に木村一基王位が来訪しました。本日は免状への署名のために来館したそうです。現局面は、下図の△5三同銀まで。「展開が早いですね」といいながら継ぎ盤の前に座りました。

20200605j

Dsc_15001 (木村王位。撮影のため、一時的にマスクを外してくれた)

Dsc_15021 (中村太七段と並んで検討)

(睡蓮)

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