「清水さんの見事な攻めばかりが目立った一局でした。60手目の△3五飛が素晴らしい踏み込みで、以下も全く緩みない寄せでした。里見さんとしてはテーマの「受け」が上手くいかず、かなり不本意な一局だったでしょう。前期無冠に転落してしまった清水さんですが、今日の将棋を見ると今期は巻き返しを予感させます。本日はご覧いただきありがとうございました。」(遠山五段)
(八雲)
第22期 女流王位戦五番勝負の日程は以下の通りです。
第1局 4月27日(水) 北海道札幌市「京王プラザホテル札幌」
第2局 5月18日(木) 兵庫県姫路市「イーグレひめじ」
第3局 6月15日(水) 福岡県飯塚市「旧伊藤伝右衛門邸」
第4局 6月21日(火) 未定
第5局 6月29日(木) 「東京・将棋会館」
(八雲)
清水女流六段へのインタビュー
--1局を振り返っていかがでしたか--
「あまり慣れていない穴熊でしたので、手どころがわからない部分があったのですが、本譜は積極的に行けたのがよかったかなと思います。」
--どのあたりで手応えを感じましたか--
「(78手目)角を切ったあたり、次の(歩の)叩きが見えたので、一手足りてるかなと思いました」
--甲斐女流王位との5番勝負、昨年のリターンマッチになりますが豊富をお願いいたします--
「昨年、遠征先の方から『来年も待っています』と言っていただきました。その約束を果たせたことが1番嬉しいです。作戦はこれからじっくり考えたいと思います。」
--女流王位戦は連続19期の出場となります--
「自分にとって一つの心の支えでもありますので、今回も続けて出場できることが凄く励みになります。」
里見女流三冠へのインタビュー
--1局を振り返っていかがでしたか--
「やってみたかった作戦でしたが、(60手目の)飛車を切られた当たりから、うーん……そうですね、穴熊が遠かったような気がします。」
--女流王位戦の挑戦者決定戦は初めての出場でした--
「これまで予選を通過することができなかった棋戦でした。いい機会を頂いたと思って、自分のやってみたいことをぶつけようと思って挑みました。」
(八雲)
清水が106手で里見を下し挑戦者となった。清水は19年連続で女流王位戦5番勝負に登場することとなった。第22期女流王位戦、甲斐智美女流王位-清水市代女流六段戦は4月27日(水)に北海道札幌市「京王プラザホテル札幌」で開幕する。
「昼休明けから清水さんが強行し、鋭い攻めを続けています。現在は清水さんが優勢です。後手玉は▲1四歩が詰めろにならないので攻め合いでは里見さんは厳しいところです。ただ終盤の粘りも里見さんの持ち味なので、決着がつくのはまだ先になると思います」(遠山五段)
(八雲)
控室では、すでに後手の清水女流六段が寄せに出ており、先手が凌ぐ手段が見つからないと言われています。早い終局も予想され、関係者が慌ただしく動き出しました。
(八雲)