第33期女流王位戦五番勝負第1局

2022年4月26日 (火)

感想戦

感想戦

里見女流王位

西山白玲・女王

感想戦
(感想戦は20時50分まで行われた)

以上で第33期女流王位戦五番勝負第1局の中継を終了します。第2局は5月11日(水)に北海道札幌市「京王プラザホテル札幌」で行われますので、引き続き「女流王位戦中継サイト」でお楽しみください。本日はご観戦ありがとうございました。

(夏芽)

終局直後

終局直後
(終局直後)

西山白玲・女王

■勝った西山朋佳白玲・女王の談話

── 序盤は進行はどのように見ていましたか?

西山 力戦形になって手を作ることに苦心していたのですが、△5五歩(46手目)と止められたところは失敗した感じがしていました。

── ▲5八歩(95手目)と受けた辺りは?

西山 その辺りで誤算があって、▲5八歩以外では倒れてしまうかなと思っていたので、つらい辛抱ではありました。

── 中終盤は、どのようなことを心掛けていましたか?

西山 細かいところで見落としもあったのですが、受けきれるかどうかの展開かなと思っていました。

── △2八金(200手目)と攻められた辺りは?

西山 1手でも間違えたら終わりの局面でしたので、慎重に読んでいました。

── 勝ちを意識したのは?

西山 最後、入玉が確定した辺りですかね。

── 一局を振り返って。

西山 初めて持ち時間を使いきったと思いますが、時間配分はできていたかなと思います。

── 第2局に向けて。

西山 少し日が開くと思うので、しっかり挑みたいと思います。

里見女流王位

■敗れた里見香奈女流王位の談話

── 序盤、前例を離れてから、じっくりとした駒組みになりました。

里見 どこで動いていく作りにするか迷っていたので、その辺りが難しくて分からなかったです。

── その後、△6五歩(70手目)から先攻した辺りは?

里見 難しいと思っていました。

── 相手が▲5八歩(95手目)と受けた辺りは?

里見 少し前までは苦しいと思っていて、手番が回ってきたので、何かよくできそうかなと思っていました。

── △3七香(196手目)~△2八金(200手目)の辺りは?

里見 ▲6八金(207手目)の局面で何かあれば……でも、具体的な順が見えなかったですね。

── 全体を振り返って。

里見 すごく難しい局面もたくさんあったのですが、指し手が乱れてしまったので、反省して次につなげられたらと思います。

── 第2局に向けて。

里見 はい、先後は決まっていますし、体調に気をつけて指したいと思います。

(夏芽)

西山白玲・女王が先勝

投了図

第33期女流王位戦五番勝負第1局は、239手で西山白玲・女王が勝ちました。終局時刻は20時15分。消費時間は▲西山白玲・女王3時間59分、△里見女流王位3時間59分。

(夏芽)

200手超え

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19時42分、里見女流王位は一分将棋に入り、△2八金と打ちました。以下(1)▲同玉は△4七角成。(2)▲4九飛には△2七金▲同玉△6九竜▲同飛△4七角成という順があります。

この金打ちで手数は200手に達しています。女流王位戦五番勝負での200手超えは、1996年に行われた第7期五番勝負の第3局▲石橋幸緒女流二段-△清水市代女流王位戦(219手)以来になります(肩書は当時)。

控室
(控室では、糸谷八段と鹿野女流二段の熱心な検討が続く)

(夏芽)

検討が当たるときは

Photo_13

時刻は19時を回り、手数が170手を超えました。

図の▲6六角は控室の糸谷八段が予想していた一手。「検討が当たるときは終わりが近い」と言われることがありますが、本局の場合は、当たれば当たるほど長手数になるようです。▲6六角は竜取りですが、別の狙いとして▲2二角成から上部を開拓する順があります。そうなれば入玉、そして持将棋の可能性も出てきます。

里見女流王位

西山白玲・女王

(夏芽)

残り10分

△4四金

盤上は先手の馬と、後手の竜の威力がぶつかり合っています。駒割りは先手の香1枚得ですが、後手の△4四金は先手の馬を押さえ込んで中央を制圧しようとしています。この局面で里見女流王位は残り10分です。

夢乃井
(夢乃井周辺は一時の豪雨が止み、徐々に暗くなってきた)

(夏芽)

善悪よりも

△8四竜

盤上は終わりの見えない戦いが続いています。図の△8四竜のあと、△6四竜と続けて歩を取れれば、どちらの玉もすぐには寄りません。両者とも相手に決め手を与えないよう、自玉の安全を最優先に進めています。

△8四竜の局面で残り時間は▲西山白玲・女王35分、△里見女流王位16分と少なくなってきました。

五月人形
(4月も下旬になり、夢乃井のフロント横には五月人形が飾られている)

(夏芽)

熱戦

▲7五歩

時刻は17時30分を回り、図の111手目▲7五歩の局面で里見女流王位が時間を使っています。まだどちらの玉も寄りが見えない形。このあとの選択次第では、長手数の戦いになるかもしれません。

糸谷八段
(控室の糸谷八段は▲7五歩に△6三金打もあると話す)

(夏芽)

流れが変わる

△8五飛

盤上は100手目△8五飛まで進み、控室では、後手の里見女流王位に楽しみが多い展開になったと言われています。消費時間の差はほとんどなく、このあとも一進一退の攻防が続きそうです。

姫路城
(昨日撮影した、姫路市を代表する世界遺産の姫路城)

マンホール
(マンホールにも城が描かれている)

(夏芽)

先手ペース

▲5三歩

端から先に動かれた西山白玲・女王でしたが、その後、先手は角と桂を活用して▲5三歩という手筋の一打を放ちました。△5三同飛や△5三同銀は▲6五桂が厳しい両取りになりますし、飛車が逃げると中央の勢力が弱まります。控室の検討陣は現状、先手の西山白玲・女王が指しやすい局面と見ています。

西山白玲・女王

(夏芽)

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