女流王位戦中継Blog

本局は北海道新聞・東京新聞・中日新聞・神戸新聞・徳島新聞・西日本新聞の各紙上において、６月24日から諏訪景子さんによる観戦記が掲載されます。詳しくはそちらも合わせてご覧ください。

以上で、第25期女流王位戦の中継を終了いたします。今期も最後までご観戦ありがとうございました。

■甲斐智美女流王位インタビュー

── 長い序盤戦でしたけど、△４三銀（62手目）と引きつけた辺りはどうでしたか？

銀を引きつけて自玉が堅いと思ったんですけど、▲４五歩（65手目）と突かれて嫌な格好になったので、その前の△５六同歩（60手目）で△６五歩と勝負した方がよかったかも知れません。

── 中盤戦はどうでしょう？

△４二飛（74手目）と回してまだ難しいんじゃないかと思っていて。本譜の展開は△７五金（81手目）と出て少し好転したかなと。

── 五番勝負を振り返って？

今期は、相居飛車の将棋もできるだけ指したいと思っていて、だけど序中盤でリードされる展開が多かったので、その辺りもう少し勉強しないといけないですね。一局一局は自分なりに力を出せたと思います。

■清水市代女流六段インタビュー

── 長い序盤戦の末、先に仕掛けていく展開になりましたが？

▲４五歩（65手目）がこちらの権利で、構想通りの展開だったんですけど……もうちょっと良くなる順があったと思うんですが、具体的な手順が分かりませんでした。

── 五番勝負を振り返って？

充実している甲斐二冠と番勝負を指せてすごく嬉しかったのはあります。初めて指す将棋も多く、収穫のあるシリーズでした。

（夏芽）

終局後、すぐに取材陣が入室して撮影とインタビューが行われました。

防衛を決めた甲斐智美女流王位。クイーン王位まであと１期とした。

清水市代女流六段はタイトル復位ならず。

（夏芽）

図の局面で清水女流六段の投了となりました。この結果、五番勝負は甲斐女流王位が３勝１敗で勝利。２期連続通算４期目の女流王位の座に就くとともに、クイーン女流王位まであと１期としました。

（潤）

優勢の甲斐女流王位が、満を持して△６八桂成～△７六金と切り込みました。以下、飛車を逃げる手には△６七歩成～△５八歩成と迫る順が厳しい攻めです。

控室では多くの取材陣がモニターで進行を見守っています。

（夏芽）

94手目△５七歩まで進みました。

控室の見解は、先手の飛車角を押さえ込んでいる後手が優勢とのことです。
残り時間は▲清水14分、△甲斐12分。

（夏芽）

甲斐女流王位が成桂を取らずに△８二飛とかわして千日手を回避しました。

先手の言い分を通したようですが、Twitter解説の上野五段の見解は「後手優勢」。▲５四成桂には△７五金と飛車取りに出る手があります。控室も改めて検討を見直す内に、△４二飛～△８二飛が好手順で駒得の後手が良さそうとの意見に変わりつつあります。

本譜は△８二飛以下、▲５四成桂△７五金▲８七飛△３三銀と進みました。

上の画像は「対局者カメラ」に映る両者の映像です。

（夏芽）

図は79手目▲５三桂成の局面です。

控室では検討を進めていく内に「千日手になるかも知れない」との声が出ました。以下△同銀▲５四歩△４四銀▲５三歩成△４一飛▲５二と△４三飛▲５三と。そこで△４一飛なら千日手濃厚になります。

千日手の権利を持つのは甲斐女流王位の方で、控室では「打開するかどうかは五分五分」という意見もあります。

今日の夢前町は朝から小雨が降り続いています。

（夏芽）

図は△１三角に対して、清水女流六段が▲４五桂と跳ねた局面です。△５五歩と取らせてカウンターに出る狙いで、控室ではこの手の評判がよく、「後手がまとめきるのは大変ではないか」と言われています。

例えば△５五歩には▲６五桂ともう１枚の桂を跳ね出す手があり、以下△６五同歩▲５五金△同銀▲同角となれば綺麗な王手飛車取りが掛かります。

放っておくと次に▲５四歩の取り込みがあるので、後手としてはその前に手を打つ必要がありそうです。△５五歩と取るか、△１二玉と寄って取り込みを緩和するような手が考えられます。

（夏芽）

こちらは姫路城内にある「官兵衛の歴史館」。官兵衛にまつわる資料や模型など、漫画家・本山一城氏が所蔵するコレクションを多数展示しています。

【開設期間】2015年１月10日まで
【開館時間】９時から17時（入館は16時30分まで）
【料金】無料（姫路城入館料が必要）

（夏芽）