感想戦前、両対局者にインタビューが行われました。
(里見香奈女流王位)
――大駒を切って攻めをつなぐ、かなり激しい序盤戦になった。
里見 勢いを重視して指しました。先手陣を乱して攻めることができたので、まずまずかなと思いました。
――△3五角の王手飛車のあたりは。
里見 こちらの玉形が結構しっかりとしていたので、攻めに専念できる展開かなと思っていました。
――△4八角成と鋭く攻めていったあたりは。
里見 いちばん読みやすい順を選んで指していましたね。
――終盤戦を振り返って。
里見 駒得ではあるので、形勢はよいのかなと思っていました。
――本局全体を振り返って。
里見 分かれはすごく難しいと思っていたのですけど、一局を通してうまく指せたかなと思います。
――次局に向けて。
里見 引き続き、一生懸命頑張りたいと思います。
(伊藤沙恵女流四段)
――激しい序盤戦になったが、どう感じていたか。
伊藤 難しいのかなと思って指していたのですけど、本譜の進行は明快に悪くしていると思ったので……。悪い変化を選んでしまったのかなという気がします。
――振り飛車側は大駒を切って攻めてくる展開だった。
伊藤 まだ大きな形勢の差はないという気がしていたのですが、完全に50手目△2六飛を軽視してしまって、それが重大な見落としでした。その前に何か違う順を示さないといけなかったのかなと思います。
――終盤戦を振り返って。
伊藤 しっかり指されてしまったな、という感じでした。
――本局全体を振り返って。
伊藤 早い時間から形勢を損ねてしまったので、本当に申し訳ないです。大盤解説会もあったと思うので。申し訳ないです。
――次局に向けて。
伊藤 この状態ではなかなか厳しいものがあると思うので、少しでも立て直せるようにと思っています。
【終局直後インタビュー 女流王位戦第3局 里見香奈女流王位 伊藤沙恵女流四段|中日 東京 将棋 サブチャンネル】
https://www.youtube.com/watch?v=gSrFHPvJDZ4
(虹)
図の局面で伊藤女流四段が投了しました。終局時刻は14時43分。消費時間は▲伊藤2時間25分、△里見1時間39分。勝った里見女流王位はシリーズ成績を2勝1敗とし、5連覇まであと1勝としました。第4局は6月7日(水)に徳島県徳島市「JRホテルクレメント徳島」で行われます。
(紋蛇)
(橋の下を流れるのは遠賀川で、九州で唯一の鮭が遡上する川としても知られている)
対局地である飯塚市は、福岡県のほぼ中央に位置する市。筑豊地方の中心都市として機能しています。日本国内での鋳銅技術発祥の地であることから古墳や遺跡が点在しており、また明治時代から昭和時代までは石炭発掘が盛んだったため炭鉱遺構も多く残ります。
福岡県の名物グルメは、焼鳥、もつ鍋、水炊き、とんこつラーメン、辛子明太子、海鮮料理など。また飯塚市は、土産で有名な「銘菓ひよ子」の創業地であることや、飯塚発祥の老舗「千鳥屋本家」が全国的に知られています。
南蛮貿易が始まると海外から長崎に砂糖が入り、長崎街道を通る中で筑前六宿のひとつ「飯塚宿」にも運ばれました。栄養豊富な砂糖や卵を使った菓子は当時の炭鉱労働者に好んで食べられ、飯塚の菓子文化は大いに発展しました。2020年、「砂糖文化を広めた長崎街道~シュガーロード~」が日本遺産に認定されています。
(東町商店街。このあたりの長崎街道は現在、商店街や住宅地に姿を変えている)
(本町商店街の南端。上記の東町商店街とつながっている。本記事ではここから北に向かって歩く)