第34期女流王位戦五番勝負第2局

2023年5月16日 (火)

感想戦の様子

大盤解説会場から戻って、あらためて感想戦が始まりました。

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(八雲)

大盤解説会場へ

終局後、両対局者は現地の大盤解説会場に向かい、来場者に挨拶しました。

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(八雲)

終局直後

Img_8027 終局直後の様子。

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【里見女流王位の談話】
――序盤を振り返っていかがでしたか。
「一手一手難しかったのですけど。考えながらという将棋でした」

――▲4五歩(47手目)の仕掛けのあたりはいかがでしたか。
「もう少し早く動く手もあるかと思ったのですけど。(本譜も)意外に後手の対応が難しいのかなと思っていました」

――▲4五飛(51手目)と飛車をさばいたあたりはいかがでしたか。
「攻めがつながるような気はしていたので。際どいながらも、攻めていける展開なので、まずまずかなと思っていました」

――▲2一飛(67手目)と下ろした終盤の入口あたりはいがかでしたか。
「自玉が怖い形ではあるのですけど、駒得が見込める展開なので。やや指せるのかなと思っていました」

―― 一局を振り返っていかがでしょうか。
「一手一手難しい将棋だったのですけど、要所で時間を使うことができたかなと思います」

――第3局に向けて一言お願いいたします。
「集中して頑張りたいと思います」

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【伊藤女流四段の談話】
――序盤戦を振り返っていかがでしたか。
「途中まで似たような将棋を指したことがあって。ちょっとこちらの待ち方と言いますか、そのあたりを前例とはちょっと変えて指してみようかなと思っていました」

――駒がぶつかったあたりはいかがでしたか。
「難しいなと思ってやっていたのですけど。あの辺り、何かあったような気もするのですが……というような感じです」

――▲4五飛(51手目)のさばきに、25分考えて△4四歩と辛抱されました。形勢判断としてはいかがでしたか。
「まだ難しいのかな、というような気がしていました」

――終盤の入口あたりはいかがでしたか。
「(65手目)飛車を取り合ったあたりは、たぶんこっちが悪くしている気がしたので。その前に何かあれば、という感じだったと思います」

―― 一局を振り返っていかがでしょうか。
「中盤がかなり難しい将棋だったと思います。何かあったのかなという気もするのですが。勝負どころでたぶんミスをしたので悪くしてしまったのかなと思っています」

――第3局に向けて一言お願いいたします。
「自分の精一杯を頑張りたいと思います」

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(八雲)

里見女流王位が押し切る

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五番勝負第2局は里見女流王位が勝ちました。終局時刻は18時。消費時間は▲里見女流王位3時間25分、△伊藤女流四段3時間51分。里見女流王位が軽快なさばきでペースを握って押し切りました。これでシリーズ成績は1勝1敗に。第3局は5月25日(木)、福岡県飯塚市「麻生大浦荘」で行われます。

(文)

先手が突き放す

2023051677後手の勝負手で追い上げムードが漂ったところで、里見女流王位が▲7四歩△同銀▲7五歩△同銀▲7四桂と猛然と反撃に出ました。そこから△9二玉に▲2三歩(図)が視野の広い好手。△2三同飛には▲3三桂成が必殺技になります。後手の追い上げを、里見女流王位が突き放しにかかっています。

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(八雲)

勝負に持ち込む

2023051660苦しい局面で長考した伊藤女流四段が選んだのは、図の△7五歩でした。2~3筋方面の戦いで負った不利を、玉側の戦いで取り戻そうとする勝負手です。図から8手進んだのが下図の局面です。

2023051668_2▲2一飛と角取りを打たれているものの、玉側の戦いでは後手が主導権を握っています。伊藤女流四段が勝負手を通して、少し追い上げた印象です。

Img_7932北海道植物園の小路。陽だまりが揺れている。

(八雲)

苦しい局面

2023051659図の局面で伊藤女流四段が長考しています。次に▲2五歩の取り込みが厳しく、△3四歩も▲2五歩△3五歩▲2四歩の取り合いで、▲2三歩成や▲4四歩の狙いが残って後手がはっきり苦しくなります。ここは何か辛抱する順をひねり出さないと、形勢の差が広がってしまいそう。伊藤女流四段が苦境に立たされています。

Img_7992 伊藤女流四段は苦しい局面で長考している。

(八雲)

大盤解説会開演

15時を回り、現地大盤解説会が始まりました(事前申込制で締切りました)。

Img_8008開演時から7割ほど席が埋まっている。

Img_8020 解説は野月八段、聞き手は久津女流三段。

Img_8015 「伊藤女流四段は終盤が強い」と野月八段。

Img_8021 久津女流三段は札幌在住。北海道対局では聞き手を務めることが多い。

(八雲)

午後のおやつ

15時を回り、対局者に午後のおやつが運ばれました。注文は里見女流王位が「フルーツ盛り合わせ」、「ミルクティー(ホット)」、「アップルジュース」。伊藤女流四段が「イチゴタルト(シマエナガのメレンゲ菓子添え)」、「ミルクティー(ホット)」。

Img_8002 フルーツ盛り合わせ

Img_8006 イチゴタルト。

(八雲)

北海道大学植物園(2)

Img_7917 ハルニレの林。北海道らしさを感じる木だ。

Img_7922 シマエナガ……ではないが、スズメも人に慣れていて近くまで寄らせてくれる。

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Img_7943 ツツジが満開だった。

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(八雲)

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