勝って1勝1敗のタイに追いついた伊藤女流二段。
【伊藤女流二段の談話】
――57手目、二枚換えになった局面ではどのように見ていましたか。
「いや、あそこは全然わかってなかったですが、弱冠……いいのかなと思っていたのですが、そんなにそれを意識している感じではなかったです」
――その後は受けに回る展開でしたが、いかがでしたか。
「途中はっきりよくなった局面が――たぶん、どこかであると思うのですが、ちょっと発見できなかったですね」
――終盤は入玉する展開になりました。
「途中で△5五竜(104手目)をうっかりして――あれを引かれて、さすがに……。何かいろいろたぶん、間違ってしまったと」
――勝ちを意識したのはどのあたりですか。
「本当に最後のほうですね。自分の駒がたくさん打てて……▲1六桂(131手目)のあたりは、よくなったかなと思っていたんですけど」
攻め続けた里見女流王位だが、本局は届かなかった。
【里見女流王位の談話】
――積極的に動いて、二枚換え(57手目)のあたりはいかがでしたか。
「攻める展開だったので、ちょっと指せるかなと思っていました」
――そのあとも攻め続ける展開になりました。
「6六の金を取られて(79手目)から、おかしくしてしまいました」
――そこから、寄るか寄らないかという局面が続きました。
「6一の金をはがされたところ(90手目)は負けだと思ったのですが、▲3四角(91手目)のところは勝ちかなと思ったのですけど……。そうですね、最後の寄せはちょっと深く考えすぎて逃がしてしまったので。そこはちょっとミスにミスを重ねたような感じになってしまいました」
(八雲)
図の局面で後手が投了。伊藤女流二段が1勝目を挙げました。終局時刻は19時8分。消費時間は▲伊藤3時間49分、△里見3時間57分。
(牛蒡)
里見女流王位の猛攻を伊藤女流二段がしのぎ続けています。少し前までは、難解ながらも寄るのではないかと見られていましたが、ここに来て後手の攻めが急速に細くなってきました。控室では、先手がしのいだのではないかと見られています。
(八雲)
時刻はまもなく17時50分を回るところ。
図の局面で、控室の木村八段は「ここまで来ると先手が勝ちになっていると思います」と、先手勝勢の判断を出しました。ただ、先手玉も危ない形で、勝ち切るためにはミスが許されません。伊藤女流二段が最後の着地を決められるかどうかのようです。
(八雲)
時刻は17時を回りました。
Twitter解説の大平六段は「ここで後手に手がなければ先手が勝ちになる。そして後手の手は見えない」と逆転模様であると解説しています。伊藤女流二段の辛抱が実を結んだのでしょうか。ここまで順調に攻めていた里見女流王位が大ピンチを迎えています。
(八雲)