(先勝した里見香奈女流王位)
【里見香奈女流王位インタビュー】
--この一局を振り返ってください。
自陣角を打っていったのですが(30手目△3四角)、角が使えなかったら悪くなるかなと思っていました。本譜は打ち合いになりましたが、指しているときは美濃囲いのほうが堅いのでいい勝負かなと思っていました。
--△7四歩(44手目)から1歩を持つ展開になりました。
1歩交換ができて、少し楽になったかなと。
--岩根さんから動いてきたあたり(53手目▲8五角)は、いかがでしょう。
△8七歩(60手目)に▲6八飛をあまり考えていなくて、その場で考えた順でしたが、こちらのほうが堅い展開になったので少し指せると思いました。ただ角を切って(66手目△3八角成)▲同玉のところが意外に難しく、最初に考えていた手では大変でした。
(敗れた岩根忍女流三段)
【岩根忍女流三段インタビュー】
--本局を振り返ってください。
駒組みの仕方が難しく、気を抜くと悪くなりそうな局面が続いてあまり自信はなかったです。8九から角を打って、▲5六歩(41手目)で銀を下がらせたところはまた難しくなったのかと思ったのですが、それでも苦しかったです。
--▲8五角(53手目)と動いたあたりは
自信があったわけではなく、動かされているような感じがしましたが、ゆっくりしていても得する手がなさそうな気がしました。ちょっとずつ悪いような気はしていました。終盤も1手足りないと思っていました。
(現在は感想戦が行われている)
(翔)
第27期女流王位戦五番勝負第1局▲岩根忍女流三段-△里見香奈女流王位は、96手で里見女流王位が勝ちました。終局時刻は17時51分。消費時間は▲岩根3時間55分、△里見3時間4分(持ち時間各4時間)。第2局は5月26日(木)に北海道札幌市「京王プラザホテル札幌」で行われます。
(翔)
岩根女流三段は大駒をさばいて勝負に出ましたが、里見女流王位の対応が的確で、後手が好調です。終局が近いと見られています。
(翔)
図は△7三桂と跳ねた局面。先手の攻めを封じ、後手の里見女流王位が優位に立ったと見られています。
△7三桂ではすぐに△8六歩▲同歩△8七歩(参考図)と攻めることも考えられましたが、力をためた格好です。
△8七歩に▲同角は△8六飛、▲同飛は△7八角成があります。
(翔)