第36期女流王位戦五番勝負第3局

2025年5月25日 (日)

感想戦

Img_1260(勝った福間香奈女流王位。7連覇まであと1勝とした)

Img_1264(敗れた伊藤沙恵女流四段はあとがなくなった)

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以上で第36期五番勝負第3局のブログ中継を終了いたします。
ご観戦いただきまして、誠にありがとうございました。
第4局もどうぞお楽しみに。

(潤)

(潤)

主催紙インタビュー

終局後、主催紙インタビューが両対局者に行われました。

Img_1262(終局直後の両対局者)

まずは福間女流王位から。

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――序盤戦はどのようにご覧になられていましたか。
福間 じっとしていると堅さ負けすると思いました。

――中盤戦はいかがでしたか。
福間 62手目の△2二飛がちょっと甘かったかもと思っていました。

――その後、△6四銀(66手目)や△3三歩(68手目)など、辛抱される展開が続きました。
福間 少し前の局面と比べるとちょっとおかしいのかなと思ったので。

――本譜はそこから攻め合いになりました。見通しはいかがでしたか。
福間 △7五香(82手目)と打った形が手厚いので、よくできるかなと思いました。

――本局、改めて振り返られていかがですか。
福間 序中盤が難しく、一手一手分からなかったんです。桂香交換になって局面がほぐれてきたかなと思ったのですが、ただ、そこから甘い手を指してしまって難しくしたかなと。

――最後に、次局に向けてお願いします。
福間 変わらず、精一杯頑張ります。

次に、伊藤女流四段にインタビューが行われました。

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――戦いが始まって端攻めがきたあたりは、どのように感じられていましたか。
伊藤 互角くらいはあるのかなと思っていました。

――中盤戦はどうでしたか。
伊藤 一手一手が難しくて分からない局面が続いて、後手に歩を渡すと△9六歩の狙いが生じることもあって、どのタイミングで歩を渡すのかというのがちょっと難しかったです。

――52手目の▲9七同桂では、▲9七同銀もあったかなというところでした。
伊藤 ▲9七同銀は何か嫌な手があった気がします。▲9七同桂だと歩を渡すと△9六歩がありますが、打たれても戦える手順に持ち込めればと。

――68手目に△3三歩と相手に辛抱させる展開にできました。このあたりの手応えはいかがでしたか。
伊藤 何かあまり正しい手順を指せていないような気がしました。それまでに▲4七金(57手目)と金が自玉から離れる手を指していますし、微妙だったかなと。△3三歩と打たせて何かあったのかもしれませんが、ちょっと私には分からなかったです。

――△7五歩(72手目)と突かれたあたりではどのように感じていましたか。
伊藤 戦っている場所が自玉に近いということで、厳しそうかなと。

――本局を振り返っていかがですか。
伊藤 ずっと難しくて分からない局面が続いたんですけど、その局面を考えるのが楽しいというか、自分の力は出しきれたのかなと思います。

――次局に向けての意気込みをお願いします。
伊藤 最終局を指したいので、次も頑張りたいと思います。

(潤)

第3局は福間女流王位が勝利

Joryuoui20250525010196五番勝負第3局▲伊藤沙-△福間戦は96手までで、福間女流王位の勝ちとなりました。終局時間は18時14分で、消費時間は▲伊藤3時間51分、△福間3時間38分。この結果、五番勝負は福間女流王位の2勝1敗となり、防衛にあと1勝と迫りました。
第4局は6月12日(木)、徳島県板野郡「樫野倶楽部樫野邸」で指されます。

(武蔵)

後手優勢

2025052582 図は17時50分頃の局面。伊藤女流四段の▲9一角成と香を取った手に対し、福間女流王位が△7五香と打ったところです。この手は後手の角筋を閉ざしながら△7七歩成を厳しく見た攻防手で、古賀六段は後手優勢の見解を示しました。

Img_1256_2(古賀六段は後手優勢の見解を示した)

Img_1249(時刻はまもなく18時だが、麻生大浦荘は西日に照らされてかなりの明るさだ)

(潤)

伊藤女流四段、残り1時間を切る

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図は16時20分頃の局面。福間女流王位が△4五歩と戦線を拡大したところです。伊藤女流四段は次の手の考慮中に残り時間が1時間を切りました。福間女流王位の残り時間は1時間14分。形勢は後手よしと見られていますが、後手は駒を渡しづらい形でもあり、怖いところもあると控室の古賀六段は解説しました。現局面からは▲4五同銀△5五銀▲2八飛に△2二飛(下図)と進んでいます。

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(潤)

15時過ぎの大盤解説会場

現地の大盤解説会は15時に開始されました。場所は昨日の前夜祭で使用された「のがみプレジデントホテル」が用いられています。

Img_1200(大盤解説会には60人以上の人が詰め掛けていた)

Img_1218(向かい飛車の序盤について解説する中田八段)

Img_1205(安食総子女流二段も生粋の振り飛車党だ)

Img_1238(次の一手の景品用の扇子や色紙が飾られていた)

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(潤)

午後のおやつ

15時、両対局者におやつが用意されました。注文は、福間女流王位がガトーショコラ、アップルジュース、ホットティー、伊藤女流四段が台湾カステラ、ホットティーです。

Img_1185(福間女流王位の午後のおやつ)

Img_1186(ガトーショコラ)

Img_1198(伊藤女流四段の午後のおやつ)

Img_1188(台湾カステラ)

(潤)

午後の検討風景

2025052544_2図は14時35分頃の局面。伊藤女流四段が40分以上考えており、勝負どころのようです。控室では中田八段、古賀六段、安食女流二段、中倉女流二段が継ぎ盤で検討しており、現局面から▲3八飛が有力と話されています。対して、△3二飛や△9五歩、△2六歩などがどうかですが、先手を持って十分となる変化が多いようです。

Img_1175(検討では先手十分となる変化が多い)

Img_1176(中田八段はここでは居飛車側を持っていた)

(潤)

麻生大浦荘(2)

本局が行われている麻生大浦荘で女流王位戦五番勝負が指されるのは3年連続3度目で、いずれも第3局で指されています。ここでは、対局室周りを紹介します。

Img_1097(対局室へつながる廊下。外は明るいが、雨が降っている)

Img_0357(ふと見上げると、行灯を思わせる木に包まれた電球が光りを放っていた)

Img_0350(対局室内の床の間)

Img_0352(花は3年ほど前にいけばなの根源として知られる華道家元池坊によって生花されたものだ)

Img_0422(こちらは玉堂富貴の絵画)
玉堂富貴(ぎょくどうほうき)とは日本で初期の本格的な多色刷り石版印刷物で、玉(ぎょく)蘭(らん)(白(はく)木(もく)蓮(れん))、海棠(かいどう)、牡丹(ぼたん)を組み合わせた南宋画の伝統的な画題の一つです。言葉の響きに将棋を感じさせられるのは、記者だけでしょうか。

Img_0365(対局室を出た廊下から望む庭園)

(潤)

西日本新聞こども記者からのインタビュー

昨日の検分終了後、両対局者に西日本新聞こども記者から両対局者にインタビューが行われました。

Img_0423(検分時、正座で両対局者の様子を見るこども記者たち。出番を前に、緊張していた頃合いかもしれない)

Img_0451(まずは伊藤女流四段に質問が寄せられた)

Img_0462(ひとつひとつの質問に悩んだ様子を見せながら答える伊藤女流四段)

Img_0520(続いて福間女流王位にもインタビューが行われた)

Img_0504(福間女流王位は淡々と答えていった)

Img_0438(対局室での記念撮影)

(潤)

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