(2年ぶりの復位を果たした甲斐智美新女流王位)
【甲斐新女流王位インタビュー】
―― 第1局と同じ展開になりましたが、本局のわかれはどうでしたか
甲斐「第1局は完敗でしたが、そのときから△8四角(本譜34手目の新手)はどうなんだろう、やってみたい、と思っていました。途中は駒得になりましたが、飛車が押さえ込まれる展開になったので、あまり自信はありませんでした」
―― その後の展開はどうでしたか
甲斐「しのげるかどうか、ずっとギリギリだと思っていましたが、△3五角(102手目)が攻防に利く手になったので」
―― 復位を果たした今シリーズを振り返って
甲斐「序盤から主導権を奪われる将棋が多くて、本当に大変なシリーズでした。ただ、それ以上に伸び伸びと指せたのがよかったと思います」
(タイトル戦で初めて敗れた里見香奈前女流王位)
【里見前女流王位インタビュー】
―― 本局のわかれはどうでしたか
里見「よいと思ったところもありましたが、冷静にみれば、わかれは悪かったと思います」
―― 終盤戦はどうでしたか
里見「ちょっと自信がありませんでした。ただ、もっとうまく指せる順はあったかもしれません」
―― 今シリーズを振り返って
里見「熱戦になってから負けることが多くて、そこが自分の弱いところだと思いました。また、早めに戦いが始まる将棋も多かったので、もっとゆっくり指せるようにならないと……と思いました」
―― 初のタイトル失冠で女流四冠になりましたが
里見「(タイトル戦は)いつかは負けるものだと思っていたので、それ自体はあまり気にしていません。自分のいたらない点がたくさん見つかったので、そこを直して一からがんばりたいと思います」
(多くの報道陣が詰めかけた)
(牛蒡)
118手で甲斐女流四段が制し、女流王位に返り咲いた。終局は19時ちょうど。消費時間はともに3時間59分。