第26期女流王位戦五番勝負第2局

2015年5月13日 (水)

ご観戦ありがとうございました。

ご観戦ありがとうございました。本局は北海道新聞・東京新聞・中日新聞・神戸新聞・徳島新聞・西日本新聞の各紙上において、6月10日から諏訪景子さんによる観戦記が掲載されます。詳しくはそちらも合わせてご覧ください。
第3局は第3局は27日に福岡県飯塚市「旧伊藤伝右衛門邸」で行われます。第3局もご観戦のほどよろしくお願いいたします。
(銀杏)
20150513_kifu1(本局の棋譜)

感想戦写真

20150513_satomi8

20150513_kai8

20150513_kanso1

20150513_ban2 (112手目△7四同銀で△2五桂の方が難しかったようだ)

20150513_kanso3 (感想戦は20時52分ごろに終了した)

(銀杏)

大盤解説会へ

インタビュー後、両対局者が大盤解説会場でファンの前に姿を見せました。
以下は中座七段、久津女流初段をまじえての感想です。

里見「序盤は攻める展開にならず、失敗したと思いました」
甲斐「△4四角から気持ちよく攻められそうと思いました」

里見「中盤はこちらの攻めが細く難しいと思いました。▲3四角では▲6五歩としたかったのですが、△3七歩のときが分かりませんでした。本譜は角桂交換になって、だいぶ思わしくないと感じました」
甲斐「△4四歩と受けたあたりで、もう少し攻めたかったです。▲8九飛で攻めにくくなりました。長考しましたが、攻めをうまくつなぐ手が見えなくて失敗したと思いました」

里見「終盤は少し指しやすいと思いましたが、△6八歩成(120手目)に距離感が分からなくなりました」
甲斐「苦心の順で苦しい時間が続きました」
里見「△6八歩成は▲4七金上とできるのですが、△2五桂が厳しいです。△7八馬で△7六馬なら▲6三銀成△同玉▲8四飛で、これならいけそうと思ったのですが」
甲斐「▲6三歩(127手目)のときにいい手が浮かびませんでした。△7四同銀(122手目)と取らずに△2五桂と攻め合うのだったと対局中に思っていました」

20150513_ooban6 (両対局者はファンの前で一局を振り返って感想を述べた)

(銀杏)

終局直後

20150513_satomi7 (2連勝の里見女流名人)
里見「序盤は攻める形にならず、失敗したかと思いました。中盤で攻める展開になって、少し指しやすいのかなと思いましたが、その後に差が縮まったかなと思います。▲3四角で攻めていきたかったが、反動が…。角桂交換にしたが、あのあたりがおかしかったかもしれません。▲4五桂と打ったあたりは、手がかりがない格好で攻めが薄いので何とも言えませんでした。終盤はいいのかなと思ったのですがが、自玉の距離感が分からなかったです。どちらが勝っていたか分からないですね。△5二金打に▲3四銀からの寄せがあったので勝ちと思いましたが、その前は分からなかったです」

20150513_kai7 (敗れた甲斐女流王位)
甲斐「角を切ったあたりは少しいいと思っていましたが▲8九飛を見落として…。▲6四歩にすぐ2九の桂を取る手も考えていたが、本譜は▲8九飛と引かれて、桂を取るタイミングを逃してしまいました。そこから受ける展開になりました。△2二飛と辛抱しましたが、少し苦しいかなと思いました。その後、思ったよりもこちらの玉が広くて、寄せにくそうでした。大変になったかなとも思いましたが、具体的に攻めるか受けるかの方針がはっきりしませんでした。△7四同銀(112手目)▲同銀△6三銀の受けがどうだったかと思います」

20150513_syukyoku1 (終局後、対局者がインタビューを受ける)

20150513_ban1 (139手目▲3四金の局面で里見女流名人の勝ちとなった)

(銀杏)

里見女流名人が2連勝

20150513n

甲斐智美女流王位に里見香奈女流名人が挑戦する第26期女流王位戦五番勝負第2局は、19時8分に139手で里見女流名人の勝ちとなりました。消費時間は▲里見3時間54分、△甲斐3時間59分。
里見女流名人が2連勝で女流王位復位にあと1勝としました。第3局は27日に福岡県飯塚市「旧伊藤伝右衛門邸」で行われます。(銀杏)



19時の対局者

20150513_satomi6 (里見女流名人は前傾姿勢で考えている)

20150513_kai6 (懸命に粘る甲斐女流王位)

20150513m甲斐女流王位の粘りを打ち破る▲3四銀の強打が出ました。△同玉▲3五歩△3三玉▲3四金と玉を下段に落として寄り筋です。



(銀杏)

先手勝ち筋に

20150513l自陣で隠居していた先手の飛車が世に出ました。控室で検討する青野九段は先手勝ち筋の見解。後手はどこかで△2五桂のように反撃したかったとのことです。(銀杏)

18時20分の大盤解説会

20150513_ooban5 (中座七段と久津女流初段は113手目▲7四同銀に△2五桂の攻め合いを示していた)

(銀杏)

ねじり合い

20150513k攻めたり受けたりのねじり合いが続いています。106手目△8四歩は懐を広げた一手で、ここは甲斐女流王位が受けています。「▲8五歩△同歩▲8四歩を狙うのは▲8五歩の瞬間が甘いので打ちにくいです」と大盤解説会の中座七段。ただし、▲8五歩以下△2五桂▲8四歩△3七桂成▲同桂の進展は▲6四桂の王手も厳しいので難しいようです。
実戦は図で▲7四歩、里見女流名人は後手の玉頭を攻めかかりました。「後手は先手側に手が向かっていないのが痛いです」と控室の青野九段。
(銀杏)

先手変調か

20150513i図は77手目▲3四角の局面。ここから△4二金▲6五歩△2四飛▲2五角△同飛▲3七金と進みました。先手は駒損した上に後手を引いています。
実戦は▲3七金から△5四歩▲6四歩△同銀▲4四角△2一飛▲4五桂(2図)に進みました。
中座七段は「形勢は難しいですが、相手の攻めを受け入れて指す甲斐さんらしい展開になってきました。先手を持ってあまり自信がありません」という見解です。
(銀杏)

20150513j

20150513_kento2 (中座門下の広森航汰5級が控室へ。師弟で検討する)

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