甲斐智美女流王位に清水市代女流王位が挑戦する第22期女流王位戦第4局は19時44分、144手で清水女流六段の勝ちとなりました。消費時間はともに3時間59分。この結果、五番勝負は2勝2敗となり、タイトルの行方は最終第5局に持ち込まれました。
長い戦いになると思われたが、激しい切り合いの順に踏み込んでいく両者。
甲斐は▲4四桂~▲2三香成と迫ったが、△3五桂(図)まで進むとどうやら足りないようだ。控室では後手勝ちか、と言われている。
(若葉)
図は19時20分頃の局面。
詰むや詰まざるやの局面もあったが、両者の陣形がしっかりして再び中盤戦に戻ったような形になっている。△3三銀打が堅い。「これは長くなりそうですね」「まだまだ終わらないですか」という声が控室では聞かれる。
駒割は▲桂△銀の交換。次に△6七歩~△6八歩成が間に合えば後手の銀得となる。後手が指しやすいか、という声も再び出るようになってきた。
(若葉)
甲斐も1分将棋となった。
98手目△6三角~△2五飛で銀を取られてしまった先手だが、駒割は意外にも▲金桂△飛の二枚換え。左の桂香もさばけており、控室では先手が残しているのではないかと言われている。脇八段もまだ先手が良いという判定。先手陣は嫌味がなくなり、逆にすっきりした形となった。
(若葉)
先手有望かと思われていたが、千日手含みのやり取りから△6三角が放たれた。
王手竜取り。
【Twitter解説】
所司七段 >> この王手龍取りは悩ましいです。逆転模様の気がします。
熊坂五段 >> △6三角は激痛です。どう受けても駒損ですね。例えば▲3六銀は△4五角▲同銀△2五飛があります。再逆転では?
再び形勢は揺れ動いているようだ。
(若葉)
後手が寄せ切るかという局面。清水は時間に追われたように△4七桂成とした。この手の評判はあまり良くない。先手は玉が露出しているが空間が広く、▲3六玉~▲4七玉や▲2七玉などしのぐ順がいろいろある。
【Twitter解説】
熊坂五段 >> △4七桂成はどうだったでしょう?…おそらく時間がないんでしょうね。
千葉六段 >> △4七桂成は少し甘かった気がします。先手が残せそうに見えますね。
棋士室で指摘されていたのはこの手に代えて△2四歩(変化図)。次に△2五歩からの攻めがあった。
(若葉)
苦しい序盤戦を強いられていた清水。中盤を粘りある指し手で盛り返し、終盤にチャンスを迎えている。先手は攻めるなら▲5一とだが、この手は詰めろではない。攻め切ることができれば後手の勝ちだ。清水は△4六銀から総攻撃を開始した。
気になるのは残り時間。清水は慌てた素振りを見せることが多くなってきた。
(若葉)
甲斐は▲6九歩とがっちり歩を打って受けた。控室ではここで▲5一とと攻め合う順も考えられていた。
▲5一とに(1)△同金は▲同角成△同銀▲7二竜△4二角▲3六金(変化1図)で先手良しだが、
(2)△4六銀と攻め合って後手有望のようだ。5五角がよく利いていて▲4一と(参考2図)が詰めろにならないため、△5九竜~△2七香成が厳しい攻めとなる。
(若葉)