2020年12月 7日 (月)

豊島竜王は7日、防衛後初の揮毫や会見、記念撮影に臨みました。会見では「昨夜は興奮してすぐには眠れなかった」「たくさんの方からお祝いのメールをもらった」「師匠からのメールがうれしかった」といったエピソードが語られました。

以上で第33期の中継を終わります。ありがとうございました。進行中の第34期もよろしくお願いいたします。

Dsc_0090 (シリーズでは高い集中力で「いわゆるゾーンに入ったこともあった」という)

Dsc_0110(7日の読売新聞朝刊を読む)

Dsc_0144(富士山を背景に記念撮影)

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2020年12月 6日 (日)

感想戦のあとに豊島竜王の記者会見が行われました。

【タイトル初防衛の豊島竜王「結果出せて良かった」令和の将棋界主役、印象づける】
https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/20201206-OYT1T50143/

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――竜王戦初防衛の感想からお願いいたします。

「まだ実感はないですけれども、最近は防衛を目標にやってきていましたので、結果が出せてよかったですし、ほっとしています」

――七番勝負を総括していかがでしょうか。

「第3局をはじめ、難しい将棋が多くて、大変な戦いだったと思います」

――第4局についてはどうお考えですか。

「難しい将棋でしたけど、大きなミスなくまとめられたのかなと思います。調べたら終盤でいちばん早い勝ちは逃していたみたいなんですけど、でもリードを保って指せていたので、まずまずよい内容で指せたのかなと思います」

――第3局は終盤の詰むや詰まざるやの攻防がありました。

「そうですね。全体的に濃い内容の将棋だったような気がしていて。序盤戦から中盤戦のあたりも手将棋ですごく難しかったです。全体的に見て第3局がいちばん内容が濃かったのかなと思います」

――新型コロナのなかでの一年のタイトル戦を振り返っていかがでしょうか。

「対局できない時期もあって調整とかは非常に難しかったです。そのなかでタイトル戦を3つ(名人戦、叡王戦、竜王戦)指して、結果的に2つ勝つことができました。名人戦は負けてしまいましたけど、まずまずの結果が出せたのかなと思います。コロナで大変ななかですけど、対局ができているので本当に関係者の皆さまには感謝していますし、対局できる幸せを感じています」

――羽生九段の発熱で第4局が延期になったときも率先してファンサービスをやられていました。

「やっぱりイベントとかもなかなかできないので。(第4局の対局場として予定されていた)福島のときは自分にできることをやろうと思っていました」

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――相手の羽生九段は通算100期が懸かっていました。どのような気持ちでシリーズを戦い抜いたのでしょうか。

「やはり注目度の高さは感じていて。でも自分の将棋も注目していただけるということなので、それはすごくうれしいことだなと思って、やりがいを感じながら指していました」

――応援しているファンの方々にどのような気持ちで指していましたか。

「本当に多くの方に見ていただけてると思っていたので、自分の力を出し切って、なるべくよい内容のものをというふうに思ってました」

――いままで防衛がなかったということで、その壁をどのような重さで感じていましたか。

「過去3回の防衛戦も自分のなかではそんなに変化がなく戦っているつもりだったのですが、やっぱり勢いのある方との戦いになるので、そういったところは挑戦するときとは違う難しさを感じていました」

――超えなくてはならない壁として、自分の中で大きなものとしてありましたか。

「自分の目標としては、タイトルをなるべく長く持ち続けて、タイトル戦線で戦い続けるというのがあります。防衛しないとそれが難しいので、いずれは防衛を達成しないといけないとは思っていました。タイトルを初めて獲るまでも苦労しましたが、その経験から焦ってもいいことがないと思っていたので、焦らずに実力をつけていけば、いずれは達成できるのではないかと考えて取り組んでいました」

――第3局の終盤戦はすさまじいものでした。あの対局について教えてください。

「△6九飛(136手目)としたところは負けだなと思っていました。でも最後の評価値が逆転したところは、自分は負け筋に気づいていませんでした」

――改めて羽生九段とシリーズを戦った印象と、防衛に成功したことについて感想を教えてください。

「以前にも何度もタイトル戦で対局をしていて、やはり経験からくる大局観のよさみたいなものが自分には足りていないのかなというふうにずっと思っていました。今回も2局目や3局目では、そういうところがあったかなと。まだ足りないところは多いですけど、自分も少しずつ克服できてきているかなというふうにも思います」

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――このシリーズでご自身が指した手でいちばん印象に残る一手は何でしょうか。

「3局目の△2六香(98手目)とか、4局目の▲9二香(91手目)とか。まだちょっと頭が働いてないところもあるのですけど、その手がぱっと思い浮かびました」

――香が活躍したシリーズだったということですかね。

「そうだったかもしれません」

――今後の目標を教えてください。

「ほかのタイトルを持たれている方と対局をしたりとか、そういう方の棋譜を見ていて自分も危機感というか、だんだん苦しくなってきているような気持ちもあるので、なんとかついていきたいというか、ほかのタイトルホルダーの人とも互角に戦えるようにやっていきたいというところです」

――今回の防衛戦はどういう思いで臨んだのか、改めて教えてください。

「焦るのはよくないと思いつつも、やはり負けが続くのもよくないので、そろそろ結果を出したいというのはありました。苦労したものの最終的には棋聖戦でタイトルを獲れたという経験とかがあって、そういうところで防衛戦も変わらず指せたかなというふうに思います」

――初防衛の原動力となったものはありますか。4強(豊島竜王のほか、渡辺明名人、藤井聡太二冠、永瀬拓矢王座)といわれる方々との対局が刺激になっている部分もありますか。

「刺激にはなってますね。でもやっぱりタイトル戦はいちばんの晴れの舞台なので、それに向けて一生懸命やるのは、自然にそうなりますね」

――本局をご覧になられた方に向けて最後に一言お願いします。

「最後までご観戦いただきましてありがとうございます。2020年、これからも対局はありますけど、とりあえず自分のタイトル戦はこれで終わったということで。コロナがあって、いろいろ大変なことがありましたけれども、ファンの皆さまの応援のおかげで、なんとか戦い抜くことができたかな思います。ありがとうございました」

Dsc_9733(感想戦の前に主催者インタビューがあった)

Dsc_9688(豊島竜王が2連覇。タイトル戦を通じて初の防衛となった)

――1日目の手ごたえについて。

豊島「封じ手は手が広いのかなと思っていて、自信はなかったものの、ものすごく悪いとは思わなかったので、2日目でなんとかなるかなと」

――2日目の△8七銀(50手目)のあたりはどのように考えていましたか。

豊島「ゆっくり指すとちょっとずつ苦しくなりそうな気がしたので、△6四歩とかも考えたのですが、本譜はあまり成算はなかったですけど△8七銀と打ち込んで。じっくり組んでいるよりは勝負になるというか、可能性があるというか」

――その後も激しくなりました。

豊島「△8七銀と打ち込んでいった以上は、もう一回取って金も打たないといけないと思いました(△7八銀成▲同玉△8七金)。△3六歩(58手目)とかも仕方ないです。そのときに本譜の▲8六歩と▲9六銀のふたつの有力手であるので、はっきりとこれでダメというのがわかりませんでしたけど自信はありませんでした」

――終盤でよくなったと思ったのはどのあたりですか。

豊島「最後までちょっとわかっていなかったです」

――控室では△4四桂(74手目)の感触がよかったという評判でした。

豊島「△4四桂は打ちたいところかなと思ったんですけど、△5六桂(78手目)に▲3五角とか▲5七角とかできた場合、どういう感じで指していけばいいのか、わかっていなかったので」

――あらためて初防衛の感想を教えてください。

豊島「なかなかできなかったことが達成できたのでよかったです」

――このシリーズで印象に残っているのは何局目でしょうか。

豊島「3局目が最後までわからない将棋でしたし、印象に残っています」

Dsc_9767(羽生九段はタイトル100期成らず)

――本局について。

羽生「ずっと難しいと思っていて指していました。どこかで形勢を損ねたと思うのですが、どこが悪かったのか、ちょっとわからないです」

――「50歳なりの将棋を指したい、それがどういうものかはまだわからないが」という話をされていましたが、このシリーズで見えてきたものはありますか。

羽生「久しぶりの2日制でしたけど、自分なりには充実して指せたかなとは思います。でも細かいところでミスはあったと思うので、そこは反省材料になるかなと思います」

Dsc_9703(ぎゅっと目を閉じて対局を振り返る)

Dsc_9739(羽生九段はうつむく時間が長かった)

Dsc_9785(インタビューのあとに感想戦が始まった)