カテゴリ「第27期竜王戦七番勝負第4局」の記事 Feed

2014年11月21日 (金)

Dsc_0519 (糸谷哲郎七段。逆転勝利で竜王奪取に王手をかけた)

――本局を振り返っていかがですか。
銀損になって相当に悪いと思いました。

――どのあたりで逆転したでしょうか。
本当に最後、(112手目)△6二金のあたりです。

――序盤はうまくいかなかったですか。
いや、ちょっと下手でしたね。

――3勝1敗になりました。次局の心構えは。
気分を一新して指そうと思います。

Dsc_0524 (森内俊之竜王は追い込まれた)

――途中までは先手優勢と言われていました。
難しい将棋でした。銀1枚とれてよくなったと思ったのですが、
その後は明快な順が見つかりませんでした。

――感想戦前ではありますが、第一感はどこに問題があったと思いますか。
(107手目)▲7四銀はかなりまずかったかもしれません。

Dsc_0529 (主催者のインタビュー後に感想戦が始まった)

20141121c

△9九角を見て森内竜王が投了しました。投了図以下、先手玉は▲9九同玉△8九金▲9八玉△7八飛成▲同銀△8八金打までの詰みです。終局時刻は17時10分。消費時間は▲森内7時間59分、△糸谷6時間2分。糸谷七段が逆転で勝利をつかみ、シリーズ成績を3勝1敗に。初戴冠にあと1勝と迫りました。

2_112112手目△6二金に森内竜王は残り時間をすべて投入、1分将棋に入りました。糸谷七段は2時間近く残しています。

16時49分、森内竜王は▲6三銀と打ちました。「しかし△6八竜にどうするんだろう。逆転しているかもしれない」と飯塚七段。▲6三銀は詰めろではなく、一方、後手は△6八竜が詰めろになります。

2_105終盤戦に入っています。控室の評価は変わらず「先手優勢」。駒得も残っています。ただし先手は時間がないので、勝ちへの道筋はまだはっきりしません。

2_9191手目、森内竜王は▲5六金打と自陣に投資しました。予想されていない手で関係者一同は一瞬どよめきました。

「▲5六金打では▲6五飛で寄っていたのではないか思います。本譜の▲5六金打も手厚い手ですが、差は詰まったかもしれません」(飯塚七段)


Dsc_0495(現地大盤解説会。飯島七段はスーツを脱いで解説していた)