カテゴリ「第25期竜王戦七番勝負第4局」の記事 Feed

2012年11月21日 (水)

――最後厳しい順を選ばれましたが――

丸山 一番強い指し方をしました。

――振り返って序盤作戦・中盤うまくいってた感じでしょうか――

丸山 △4五角をうったあたりはよくわからなかったですが。

――手応え感じたのは――

丸山 銀を取れたところ(60手目△1五歩)で難しいながら主導権が持てたかなと感じました。

――今シリーズ初勝利ですね――

丸山 そうですね。この後も1局1局がんばりたいと思います。

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――工夫の銀から面白い将棋でしたが――

渡辺 作戦でしたがうまくいかなくて筋の悪い将棋になってしまいました。

――早い段階で苦しいという感覚だったのでしょうか――

渡辺 1五に銀を打って残ったので、作戦失敗は明らかだったかなと。

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Ryuou201211200101102_3△6七角成で渡辺竜王の投了となりました。投了図から、(1)▲6七同玉は△6四飛▲6六歩△5七飛以下、(2)▲6七同竜も△同飛成▲同玉△5七飛▲6六玉△5五角▲7五玉△7四金まで、先手玉は詰んでいます。

終局時刻は2012年11月21日17時26分。消費時間は▲渡辺6時間59分、△丸山7時間28分。

丸山九段は今期七番勝負初勝利。待望の1勝を挙げ、対戦成績を1勝3敗としました。

第5局は2012年11月28日・29日、新潟県南魚沼市「龍言」で行われます。

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図は17時過ぎの局面。王手が掛かっておりどう受けるかですが、ここで△4二金が先手を取る受けで、さらに先手玉は△6六桂▲7七玉△6八角▲8八玉△7九角成以下の詰めろになっており、後手勝勢と見られています。
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(17時過ぎの控室。現在は検討が一旦止まっている )

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図の局面で渡辺竜王が30分ほど考えています。どうやらこの局面が本局の命運を分ける急所の局面になりそうで、控室では当然の長考という見方です。

ここからの有力手として▲2三馬が攻防手として見えますが、以下△5一玉▲4二飛成△同金▲5六馬△5八飛▲6八桂△5九銀不成(参考1図)で先手玉は受けなしで後手玉は詰まず、後手の勝ちとなります。
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現在は▲4三桂が最有力と見られ、以下△同金右▲同飛成△6六桂▲同馬△4三金▲5六馬△5八飛▲6八桂(参考2図)で、今度△5九銀不成は▲2三馬があり、受けの利く形になっているようです。
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後手も▲4三桂には△同金右ではなく△3三金が最善かと言われだした頃、渡辺竜王の手が伸び▲4三桂が指されました。

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図は16時15分頃の局面。これまで我慢を重ねてきた渡辺竜王が反撃に出ています。現局面は丸山九段が△5六角と飛車取りに角を出たところ。この手は詰めろではありませんが、駒が入れば詰むような変化をにらんでいます。しかし渡辺竜王にうまい詰めろで迫る手があるようなら、形勢は先手に傾きそうです。