カテゴリー「第21期竜王戦七番勝負第4局」の記事

2008年11月28日 (金)

第4局の棋譜

ご観戦ありがとうございました。第5局は12月4、5の両日に和歌山県西牟婁郡「むさし」で行われます。


20081127kihu_2

青野九段の総括「渡辺竜王の執念を見た」

Photo
 渡辺竜王がどうやってもダメという不利な局面から、玉を這いずり回ってしのぎ切ったというのは、前々期(19期)の竜王戦第3局(長崎県西海対局、最終盤△7九角の絶妙手で有名)を思い出させるような光景です。
 実力と共に、運も味方に付けた、渡辺竜王の執念を見ました。

「宮田五段の寄せ」への羽生見解

20081128san4 下の午後8時12分の記事「宮田五段の発見した寄せ」の順は感想戦では出ませんでした。感想戦終了後、手順を聞いて寄りなのでは?と感心した桐山九段が打ち上げの席で羽生名人に尋ねました。羽生名人は△2八香▲同飛△2九角(参考図)までスラスラ進め「簡単ではないですよ。勝ちとまではいえないような」。続けて「たぶん▲3八金打としますが、△同角成▲同飛△2七金▲2八角△同金▲同飛△2九角は参考図と同じ局面ですよね。千日手になるかもしれません。ですから感想戦の手順が正しいのではないでしょうか」と笑顔で解説してくれました。また参考図に到る手順で「△1七桂より△3七桂のほうが角の王手を消してよさそうです」と指摘してくれました。

2008年11月27日 (木)

山崎七段の見た第4局

20081127_126 すごい将棋でした。将棋は奥が深いと改めて感じさせられました。
竜をタダで取らせて、それで難しいというのは驚きでしたし、寄せてみろの△8九飛(図)もすごかったですね。感想戦で時間をかけて検討されましたが、図から▲4七飛と引いていれば寄せがあったようです。手順は長いのですが図から▲4七飛△2八玉▲3八金△1九玉▲1七飛△1八香▲2八金打△9九飛成▲9八桂△2六桂▲2七飛△3八桂成▲同銀△3九金▲5九歩△同龍▲4九桂(参考1図)。
20081127_143

▲5九歩△同龍を入れないで▲4九桂は合駒がなくなり△9八竜▲同玉△9六香で危険。参考1図で先手は歩切れなので△2四香と打ちたいのですが桂が利いています。すべての配置がピッタリにできているんです。参考1図から△同龍▲同銀△1七桂に▲3八飛(参考2図)と打って一手一手です。
20081127san2

しかし▲4七飛は読み切らないと入玉されてしまうので実に指しにくい順でした。
羽生先生に明快な勝ちがあったわけではなく、ずっとギリギリの勝負だったので逆転とは言いにくいですね。


<20081128yama(感想戦を見つめる山崎七段)

感想戦終了

感想戦は1時間40分ほど。21時ころに終了しました。

感想戦写真3

20081127shu8


20081127shu7_2
(感想戦の盤面。羽生陣の駒がゆがんでいた)

終局写真2

20081127shu6wata
渡辺竜王の話「負けだと思ったのですが。終盤は寄せられたら仕方がないと思っていました。勝ちになったと思ったのは最後寄らない形になったところです。次局も引き続き頑張りたい」

20081127shu5habu
羽生名人の話「ずっと難しい将棋だと思っていました。最後は何か手があったかもしれませんが分かりませんでした」

宮田五段が発見した寄せ

0811261126_2 図の△8九飛に対し、東京で検討していた宮田五段が勝ち筋を発見していました。
△8九飛に本譜は▲3八金でしたが、代えて▲4七飛△2八玉▲3八金△1九玉▲1七飛△1八香▲2七飛△9九飛成▲9八桂△1七桂▲3九金(参考A図)。


0811261137参考A図は後手玉の受けが難しく、先手玉に詰みはありません。すなわち先手勝勢。


0811261140_3 ただ参考A図から△2八香!▲同飛△2九角(参考B図)という凄まじい粘りもあり、形勢は別にして長い戦いが続くかもしれません。 

(烏@東京)

終局写真1

20081127shu1
(感想戦前に両対局者にインタビューが行われた。大勢の報道陣が囲む)

20081128shu2
(頭を抱える羽生名人)


20081127shu4
(ホッとした表情の渡辺竜王)


20081127shu3
(羽生名人)

渡辺 1勝を返す

20081127_136 第21期竜王戦7番勝負第4局は19時21分、136手で渡辺竜王が勝ち、対戦成績を1勝3敗としました。持ち時間各8時間のうち、残りは両者1分。第5局は12月4、5の両日に和歌山県西牟婁郡「むさし」で行われます。
投了図では、後手の玉が寄らず入玉が確定的。大駒1枚の先手は、駒数が足りないので持将棋の望みもありません。追い込まれた渡辺竜王がギリギリのしのぎを見せて逃げ切りました。「執念の勝利ですね」との声が聞かれました。

両者1分将棋に

20081127_130 渡辺竜王の玉は、動けるところがありませんが、▲2七歩は打ち歩詰めで打てません。控え室でも明快な順が見えていません。すでに両者1分将棋に突入しています。

詰まない?

0811261126 渡辺竜王が放った△8九飛。全国各地から「後手玉は詰まないのか!」の声が聞こえてきそうです。

19時10分現在、現地控え室も東京検討陣も詰みを発見できていないとのことです。

(烏@東京)

寄るかどうか

19時を過ぎました。羽生名人が飛車を捨てて、渡辺竜王の玉を寄せに出ています。渡辺竜王は残り1分、羽生名人は残り7分です。時折羽生名人の手が震えています。
20081127_121_4

大入りの大盤解説

020 021

東京・将棋会館の大盤解説場は大入り。仕事が終わって駆けつけたお客様向けに、もう一度初手から解説していきます。

(烏@東京)

王手龍

20081127_10918時30分を過ぎました。図は王手龍取りのような形ですが、以下△5六玉▲4九飛△4八歩で後手玉に明快な寄せが見えない、という声も出ています。長期戦になるかもしれません。

はっきりしない

015 017

東京の検討陣はどんどん増えてくる。棋譜中継が羽生名人の手のふるえを伝えているが、「羽生さん、ふるえるのは早かったんじゃない?」の声も。
業界的に、羽生名人は勝ちを確信したときに手がふるえるといわれているが…

(烏@東京)

緊迫の終盤

20081127hirushitsu1111
(関係者一同、対局室と盤面のモニターを注視する)

「羽生さんの決め方が危なかったかもしれません。意外に明快な決め手が見つからない」と深浦王位。

東京の検討陣

08112699_2

東京の検討陣は、ここから△5四金▲5二銀△3三玉▲5四金△同歩▲1七桂といった順を検討しています。が、後手玉は簡単には寄らないようです。と言っているところに△5七桂成が伝えられ、一同はどよめいています。

012

(烏@東京)

挑戦者の見切り?

20081127_99 △2八飛を放置し、羽生名人は7八の金をボロっと取らせる順を選びました。後手玉には▲4四金以下の詰めろが掛かっていますが、果たしてこの順で大丈夫なのでしょうか。残り時間は両者22分です。

攻防の飛車打ち

20081127_96_2大きな駒の振り替わりがあり、渡辺竜王が攻防に飛車を打ち下ろしました。次に△7八飛成という強烈な狙いがあり、▲7八同歩は△7九角以下、▲7八同玉は△6八金から長手数の詰みがあります。△7八飛成に▲9七玉なら詰みはないようです。図で▲6八銀なら長期戦、と言われていたところで羽生名人の▲3六桂が指され、本局何度目かの驚きの声があがりました。時刻は18時を過ぎました。

対局室の様子

20081127yuumoni
(モニターに映る対局室の様子。手番の羽生名人は扇子で自身を扇いでいる。渡辺竜王は背筋を伸ばしている)

20081127yuumoni2
(局面は80手目△7七歩まで)

東京・将棋会館の大盤解説

005 008

003

東京・将棋会館では、中村修九段と矢内理絵子女流名人が大盤解説を行っています。
17時に開始されたため、解説はまだ駒がぶつかったあたりでした。

(烏@東京)

青野九段「後手には攻防の手が必要」

08112689

「後手は△2八飛のように攻防の手が必要になってきます。単に攻めだけ、守りだけではいけません。先手が一番怖いのは、後手から攻めを見せられて対応しているうちに、自分の攻めが切らされてしまう、という展開です。現在の状況は先手がよいとはいえ、まだまだ勝ち切るのは大変です」

08112696_2

Photo_10
 

 

名人 攻めきるか

20081127_88 ▲7九歩に驚きの声を上げた控え室ですが、この展開に納得しています。次に▲5六金と出る手が決め手になるか、といわれています。
「この局面になるなら▲7九歩が光っていますね」「攻めが細そうだったのに一手ゆるめても大丈夫とは、切れていなかったんですね」「渡辺さんは▲5六金を見落としていたのかな」「仕方なかったのでしょう」。

控え室の検討と報道陣2

20081127aahikaesitu
(控え室は衛星放送を見ている。決着局の可能性があるだけに報道陣が多く詰めている)

控え室の検討と報道陣

1_3 2_3

攻める名人 受ける竜王

20081127_84 84手目△4四歩まで進んでいます。残り時間は羽生名人1時間29分、渡辺竜王が40分です。衛星放送は深浦王位と山崎七段のコンビが出演しています。図で先手を持ちたいと深浦王位、後手を持ちたいと山崎七段。図から▲5六歩△4五銀▲3五飛△4六角と進め「こうなれば後手勝ちですね」。▲2五桂が有力とされています。

終盤戦に

20081127_83 83手目羽生名人が横歩を取って飛車の転回を狙っています。桐山九段は「羽生さんが攻めをつなぐか、渡辺さんがかいくぐるかというところ。図では飛車を回られてはいけませんから△4四歩か△4四銀でしょう。△4四歩は▲2五桂△4三玉▲3五飛△4五銀に▲5六金で攻めが続きそうです。ですので△4四銀で以下▲2四歩から▲3六桂でしょうか。渡辺さんからいつでも△7七歩があって手が広い。だから考えているのですね」と解説してくれた。

衛星放送開始

16時となり衛星放送の竜王戦中継がはじまりました。控え室でも放送を見ています。

20081127eisei1
(竜王戦中継は16時から18時までの2時間。ダイジェストは本日深夜24時45分から25時まで)

挑戦者決断の飛車

20081127_81_2 16時過ぎ、羽生名人は意を決して飛車を走りました。△2三歩には▲3四飛として転回を狙います。△2三銀は後手の攻めが細くなり▲同飛成から▲3二金という筋が怖いところ。「△9五歩に▲7四角と意表の応酬で予期せぬ展開なっています。羽生名人がうまく攻めをつなげられるかどうか、というところです」と山崎七段。

2日目夕刻の菊池温泉

Photo_8
(夕方に入り、雨が強まってきました)

Photo_9
(大盤解説会には大勢の将棋ファンが来場し、立ち見も出ています。解説会と温泉入浴を楽しめます)

1
(菊池温泉は源泉掛け流し。市内のあちこちに温泉が湧き出る)

2

間もなく16時

20081127_80_2 80手まで進んでいます。△4九龍と潜り込んだ局面で羽生名人が考えています。先手は挟撃形を作りたいところですが、▲3六桂は△2五歩とされてなかなか捕まりません。間もなく16時になろうとしています。

15時30分ころの局面

20081127_76_2 厚みを活かした指し回しを続ける羽生名人に対し、渡辺竜王は飛車を4筋に転換し龍を作りました。「後手に龍ができたので大変な将棋です。△4九龍から△7七歩は厳しいですし、後手玉は小駒だけではなかなか捕まりませんよ」と青野九段。

大盤解説場

現地では随時大盤解説会が開かれています。大勢のファンが訪れ、260用意されている席がいっぱいになってきました。

20081127oobann11
(青野九段と山崎七段の解説)

20081127oobann22
(広い会場は将棋ファンであふれている)

2日目午後おやつ

15時となり、対局室におやつが運ばれました。渡辺竜王はケーキとホットコーヒー。羽生名人は抹茶と焼き菓子でした。

20081127oyatsu2
(渡辺竜王。ホットコーヒーとケーキ(イチゴのミルフィーユとキャラメルエポア-ル(洋梨のムース)。ケーキは「何でも」ということで仲居さんが選んだもの)


20081127oyatsu1
(羽生名人。抹茶と焼き菓子)

20081127oyatu3_2

14時すぎの控え室

20081127_63局面が大きく動き、渡辺竜王が角金交換の駒得をし、羽生名人は堅陣を完成させました。

20081127hiruhikae11
(控え室では青野九段、桐山 九段、アマ竜王の早咲誠和さんが検討している)

昼休あけ再開写真

20081127hirusaikai3
(眼鏡を拭く羽生名人。前傾姿勢の渡辺竜王)

20081127hirusaikai4wata
(渡辺竜王)

20081127hirusaikai1habu
(羽生名人)

20081127hirusaikai2wata

昼休あけ 再開

20081127_54

昼食休憩後の再開から5分ほどして、渡辺竜王はピシッと高い駒音で△8八歩を着手。控え室では驚きの声が上がりました。▲8八同玉と取りきられたらお手伝いにもなりかねないところです。

昼食休憩中の対局室

20081127hiritaikyoku
(対局室)

20081127hirubanmen
(53手目、▲7四角まで)

2日目の昼食

20081127hirunabe
(昼食は渡辺竜王、羽生名人ともになべやきうどん。渡辺竜王は2日連続。すべて昨日と同じで、との注文があったという)

20081127hirubon_2
(対局者に出される和菓子とお茶、ミネラルウォーター。15時のおやつとは別)

2日目昼食休憩

20081127_53_2この局面で渡辺竜王が30分考えて昼食休憩に入りました。消費時間は羽生名人4時間57分、渡辺竜王6時間7分。昼食の注文は両者なべやきうどん定食です。
再開は13時30分です。

雨の菊池温泉

菊池温泉は、昼前に雨が降り出しました。
Photo_7

対局室

20081127hiruwata
(控え室のモニターに映る対局室。手番の羽生名人は席を外している)

竜王、仕掛ける

20081127_52_2 1時間24分の考慮の末、渡辺竜王が△9五歩と仕掛けました。深浦王位は「山崎さんと△9五歩▲同歩△9七歩▲6七金右△4五桂の先を検討しました。第一感▲5六歩と突いて△9五香▲5五歩△9八歩成▲同香△同香成と進みますが後手の攻め駒が多すぎて銀1枚くらい取っても猛攻は続きそうです。後手陣に反撃するには本隊の飛車を取るのがよさそうですが、総合的な判断が必要な局面といえます。小駒を取っても波状攻撃が続くので。それにしても渡辺竜王は慎重すぎる気がします。1日目にどんどん進んだ第3局の残像が残っているのかもしれません。そのときは1日目で悪い手を指してしまいましたから。ちょっと前までは手得の後手もちと思っていたのですが、▲7五歩が手厚い手で何ともいえなくなりました」と解説してくれました。ここまでの消費時間は羽生名人4時間22分、渡辺竜王5時間37分です。

決戦直前

20081127_51 51手目まで進んでいます。解説の山崎七段は「渡辺さんは攻めるしかないところ。△4五桂とさらに力をためるか、△9五歩か。パッと見は羽生名人が手厚いと思っていたのですが、検討を進めてみるとギリギリの一手差になります。後手陣は攻め駒が多いので、かなり攻めが続きます。戦いが始まる前から渡辺さんの持ち時間がなくなってきたのが心配です」と話してくれました。

大盤解説会

20081127asaooban1_2
(広い解説場に150人以上の将棋ファンが集まり、大変な熱気に包まれている)

20081127oobanasa2
(午前の解説会は桐山九段と中倉女流初段のコンビ。「急戦の陣形の渡辺竜王はどんどん攻めて速い展開にしたい。逆にゆっくりした流れになれば羽生名人が有利。だから先手は駒を引いて決戦を遅らせているんですね」と桐山九段)

攻めは飛車角銀銀桂桂香!?

08112651 

 渡辺竜王が熟考するなか、控え室では後手がどう攻めるかを熱心に検討しています。
 

 現在は、△9五歩▲同歩△9七歩▲6七金右△4五桂と、端攻めと中央攻めの合わせ技を検討中。▲2五飛には△3五角(参考図)が厳しい。
 参考図を見て青野九段らは「攻めは飛車角銀銀桂桂香ですね」
 ・・・とすると、守り駒は金二枚のみか。




08112658_2

Photo_5

現地解説会

現地の大盤解説会場は午前中から100人以上のお客さんが訪れています。席は250以上と余裕はありますが、これからまだまだお客さんが増えそうです。

2日目の菊池市

20081127asasoto_2
(2日目の熊本は曇天。山際に、もやがかかっている)

20081127ashi1
(ホテル正門にある足湯「とちの湯」)

20081127ashi2
(足湯)

2日目午前のおやつ

10時となり、対局室におやつが運ばれました。渡辺竜王はアイスコーヒー、羽生名人はホットコーヒー。1日目と同じ注文でした。
お昼はヒレカツランチ、てんざるそば、なべやきうどん定食、焼き肉ランチの4種から選ばれます。

2008112710ayawata_2
(渡辺竜王。アイスコーヒー)


2008112710aya2habu
(羽生名人。ホットコーヒー)

封じ手写真

20081127huujite13jitu1
(封じ手)

20081127huujite14jitu2
(指し手は矢印で示す。△7六歩)

2日目朝写真2

20081127huujite6wata
(記録の船江三段の読み上げに合わせて1日目の指し手を再現する)

20081127huujite5habu_2
(羽生名人)

20081127huuite7


20081127huujite8
(桐山九段が封じ手を開封)

20081127huujite10_2
(「封じ手は△7六歩」。渡辺竜王はすぐに着手した)

2日目朝写真1

20081127asahuji1
(8時49分、羽生名人が先に入室)

20081127hujite2habu
(背筋を伸ばし、目を閉じて竜王を待つ)

20081127huuji3_2
(8時53分、渡辺竜王が入室)

20081127huujite4_2
(上座の渡辺竜王が駒袋を開け、王将を据える)

封じ手は△7六歩

20081127_48 立会人の桐山九段が読み上げた渡辺竜王の封じ手は△7六歩でした。2日目の戦いがはじまりました。控え室に戻ってきた桐山九段は「難しいところでしたが、予想していなかった手ですね」と語ってくれました。

竜王戦第4局2日目

おはようございます。
菊池温泉はきょうは曇り。昼過ぎからは小雨が降るとの予報もあります。

Photo_3

(対局室ふすま絵の水墨画のような風景が広がる)

Photo_2

(ホテルの窓からは鳥のさえずりがきこえる)

2008年11月26日 (水)

相棒

 控え室での二次会で、桐山九段ら関係者十数名は人気サスペンスドラマ「相棒」(21時~)を楽しみました。
 架空のタイトル戦「龍馬戦」第7局前夜に起こる事件ということで、日本将棋連盟が協力。竜王戦というタイトル名も登場し、金井恒太四段と伊藤真吾四段がさりげなく出演しました。
 「三段リーグがどうのこうのってホテルの廊下で話しているお客さんがいてびっくりしましたよ(笑)」と記録係の船江三段も途中から現れ、控え室でドラマを楽しみました。

1日目夕食

19時から、両対局者は関係者とともに夕食をとりました。
とろろを付けて食べるすき焼きと、菊池川源流でとれたヤマメの炭火焼きがメインでした。
Photo_23
(夕食お品書き)

山崎七段の封じ手予想

Photo_22 午後の大盤解説会で次の一手クイズを出したのですが、30分くらい当たりがなくて・・・(苦笑)。それくらい1日目は意表の展開でした。
 特に驚いたのは、4五の銀を5六~6七と「二段引き」したところです。指されてみればなるほどで、局面が落ち着けば手損は響かないということなのですね。いまの形勢は難しいですが、後手は自分から手を作っていかなければなりません。ただ、先手も攻めを呼び込んでいるので怖いところではあります。

 封じ手予想は、△5五銀左と中央に進出する手です。でも、深浦王位予想の△9五歩もだんだん魅力的に思えてきました(笑)。
 あすは再開後すぐに決戦の火ぶたが切って落とされると思うので、朝から見逃せない展開です。渡辺竜王の攻めに羽生名人の受け、とはっきりしているので、激しい攻防が見所ですね。

08nov2647_2

封じ手写真2

20081127huujitejitu
(封じ手。同じものが2通作られ立会人の桐山九段と山崎七段が明朝まで預かる。封のところに渡辺竜王、羽生名人のサインがある)

20081127yuukif
(第4局1日目までの棋譜。47手目▲7九玉まで)

封じ手写真1

20081127hujitehabu
(別室で渡辺竜王が封じ手を記入する間、羽生名人は対局室で待つ)


20081127huujite2
(封じ手の封にサインをする羽生名人)

20081127huujitewata
(渡辺竜王)

20081127huuji1
(渡辺竜王があらためて封じ手を立会人の桐山九段に手渡す。これで1日目が終了した)

20081127huujitehabu2
(退出する羽生名人)

20081127huujiteban
(封じ手の盤面。47手目▲7九玉まで)

47手目、封じ手

 この局面で渡辺竜王が手を封じました。18時に封じ手時刻を迎えた後、渡辺竜王は5分ほど考えてから、封じる意思表示をしました。渡辺竜王はこの手に27分考えました。
 ここまでの消費時間は、先手の羽生名人が3時間46分、後手の渡辺竜王が3時間55分です。 あす(28日)は朝9時から再開されます。

08nov2647
後手陣は左右対称形。「中住まいカニカニ銀か?」と言われている。
先手陣のほうが渡辺竜王好みの堅い囲いだ。

41手目、先手3手損戦法?

羽生名人は▲6七銀と、6手かけて右銀を持っていきました。6七は、最低4手で右銀を持ってこれる場所です。
先手から角を交換し、銀で2手損し、現在羽生名人は3手損です。
08nov2641

夕刻の菊池温泉

Photo_19 ホテルの周りには、高台の菊池公園など、散策場所がある。空気もおいしく、癒される。

















(対局場は東館の最上階)


1Photo_21

17時30分ころの対局室

封じ手まで30分を切りましたが、両者の指し手がなかなか止まりません。

20081127yuumonijpg
(モニターに映る対局室の様子)

20081127yuumoni1

40手目、中盤の入り口で羽生長考

08nov2640 渡辺竜王が40手目△4四銀と指した局面で、羽生名人が長考に入っています。

山崎七段の解説。
「これは▲6五歩を牽制した手です。仮に▲6五歩なら△5五銀右▲6七銀(自陣を引き締める)△4五銀▲7五歩△3五歩(参考図)と、7筋を見捨てて中央を制圧し、飛車筋を通す狙いがあります」

「40手目での選択肢は4つ。▲6五歩、▲7五歩、▲6七銀、▲1五歩でしょうか。4番目はちょっと無理気味ですが」


08nov261

16時30分ころの控え室

20081127hiruhikae_2
(深浦王位と中倉女流初段は17時からの衛星放送の予習に余念がない)

竜の夢

菊池温泉は昭和20年、地元の商工会長が湯煙の中に立ち上る「白竜」を見て、掘削したところ、湧出したのが始まりという。
竜王戦にふさわしい対局場といえるだろう。
Photo_18
(菊池観光ホテルは縁深い竜にあやかって「蛇の衣」を展示しているが、その後ろには渡辺竜王の色紙が飾られている)

羽生独特の銀

2008112637_3  37手目、羽生名人は取れる歩を取らずに中央に銀を引きつけました。「これはまた考えにくい手を」「羽生さんの銀は独特の動きをしますね」と感嘆の声が上がりました。「渡辺さんは読み筋をはずされたでしょうから時間を使うかもしれません」と立ち会いの桐山九段が解説してくれました。

15時のおやつ

15時のおやつが出されました。渡辺竜王はいちごのケーキとホットコーヒー、羽生名人は特製チーズケーキとレモンティーでした。
ケーキは菊池市内で有名な「よしのや」という菓子店の特製です。

Photo_16
(渡辺竜王のいちごのケーキ)
Photo_17
(羽生名人の特製チーズケーキ)

大盤解説場

14時から山崎七段の大盤解説がはじまりました。1日目にもかかわらず数十人のお客さんが集まっています。

20081127yamaooban
(山崎七段。巧みな話術で場内は笑いに包まれた)

20081127yamaooban1

36手目、いよいよ開戦

14時50分頃、ついに歩がぶつかり、戦いが始まりました。
指した直後、渡辺竜王は棋譜用紙を確認しました。羽生名人は頭をかきあげ、扇子をあおいでいます。
08nov2636

菊池の名水

菊池市は阿蘇外輪から湧き出る水が有名。控え室でも大人気です。

Photo_14
(菊池水源は環境省選定の名水百選に選ばれている)

Photo_15
(ホテル内の至る所で自由に飲める。まろやかでおいしい)

1日目、対局再開

13時半に対局が再開されました。羽生名人は1分ほど遅れて入室、そのすぐ後に渡辺竜王は△7三銀と指しました。
Photo_12
(先に入室した渡辺竜王。このすぐ後に銀を立った)

Photo_13
(鋭い目つきの羽生名人。後ろに座るのは観戦記執筆の山田史生氏)

昼休後の指し手は△7三銀

2008112632 昼食休憩あけの渡辺竜王の指し手は△7三銀でした。△7五歩と飛車利きを通す手を含みにした「慎重な手」(山崎七段)のようです。

昼食休憩時の対局室

20081127hiru1
(対局室は菊池観光ホテル13階、武王の間)

20081127hiru2_2
(局面は31手目▲8八銀まで)

20081127hiru3
(本局の駒は江陽師作、巻菱湖書)

20081127hiru4
(盤駒は地元の愛棋家・江藤寿展さん所蔵のもの)


20081127hiru5
(昼食休憩までの棋譜)

1日目の昼食休憩

2008112631 この局面で渡辺竜王が55分考えて1日目の昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は羽生名人1時間26分、渡辺竜王1時間48分です。
昼食の注文は渡辺竜王は鍋焼きうどん、羽生名人は天ざるです。
「1筋の突き合いが珍しく、どちらの得になるか。後手は△3三桂と跳ねて▲4五銀をけん制したいのですが、▲1五歩△同歩▲1二歩△同香▲2一角があるので跳ねにくい。羽生名人は突き合いが得になると見てこの形を選んだのでしょう。渡辺竜王は先手の態度を見てから形を決めようと△1四歩と突きました。羽生名人はその△1四歩をとがめるために▲2七銀と出たわけです」と解説の山崎七段。

1日目の昼食

12時半に昼食休憩に入り、両対局者は自室に戻りました。
渡辺竜王は鍋やきうどん、羽生名人は天ざるです。
Photo_8
(渡辺竜王が注文した鍋やきうどん)
Photo_9
(羽生名人が注文した天ざる)

大盤解説会の案内

第4局(11月26日、27日) の各地の大盤解説会は、以下の通りとなっております。

現地解説会 : 両日とも9:00~終局まで随時、菊池観光ホテル2F鳳凰の間、山﨑隆之七段
          入場料1,500円(入浴付1日)、2,500円(昼食・入浴付1日)
東京・将棋会館:27日(木)17:00~、中村 修九段、矢内理絵子女王・女流名人、一般2,000円
関西将棋会館:27日(木)17:00~、浦野真彦七段、一般1,200円

Photo_7
(現地大盤解説会の案内ポスター)

山崎七段の指導対局

大盤解説会場では、10時頃から山崎隆之七段の多面指し指導対局が始まり、大勢のファンが見守っています。12時頃まで続く予定です。
Photo_5
(ホテル内の大盤解説会場)
Photo_6
(山崎七段の指導対局。人だかりができていた)

25手目、前例と再び合流

渡辺竜王がこのタイミングで8筋を交換したことで、再び多くの実戦例と合流しました。
この局面は30局近くの実戦例があります。
25

19手目、富岡流に沸く控え室

19手目、羽生名人は16分の考慮で▲2七銀と出ました。
この局面の前例は2局。いずれも富岡英作八段が指し、負けてしまっています。
控え室は「蘇る富岡流か!」と沸いています。
19
Photo_4
(パソコンで富岡流を堪能する。右から深浦王位、桐山九段、山崎七段)

1日目10時のドリンクが出されました。

渡辺竜王はアイスコーヒー、羽生名人はホットコーヒーでした。
仲居さんたちは緊張の面持ちで対局室に向かいました。

Photo_2
(渡辺竜王のアイスコーヒー)

Photo_3
(羽生名人のホットコーヒー)

衛星放送

9時から衛星放送の竜王戦中継がはじまっています。控え室でも放送を見ています。解説深浦康市王位、聞き手が中倉宏美女流初段、司会は後藤理アナウンサーです。放送予定は11月26日が9時~10時、17時~18時。27日が9時~10時、16時~18時。ダイジェストが28日0時45分~1時です。

20081127asaeisei
(左から後藤アナウンサー、中倉女流初段、深浦王位)

15手目、深浦王位を意識した?▲9六歩

羽生名人は15手目、数ある選択肢の中から▲9六歩と、今期挑戦した王位戦第3局と同じ形をとりました。
NHKの衛星放送の解説者である深浦康市王位を意識したのでしょうか。
王位戦第3局は後手の深浦王位がここから△8六歩と飛車先を交換しました。
15

対局開始写真2

20081127asa5wata
(渡辺竜王)

20081127asa6habu
(羽生名人)

20081127asa7
(立会人の桐山九段の合図で両者一礼)

20081126asa8sho
(羽生名人の初手は▲2六歩)

対局開始写真1

20081127asa1
(羽生名人が先に入室した。眼鏡を拭く)

20081127asa2
(2分ほどあとに渡辺竜王が入室した)

20081127asa3
(上座に着き、駒袋を開ける渡辺竜王)

20081127asa4
(5一に王将を据える)

1日目の昼食

渡辺竜王は鍋焼きうどん、羽生名人は天ざるを注文しました。渡辺竜王は羽生名人の注文内容を確認してから、注文しました。

1日目10時のドリンク

渡辺竜王はアイスコーヒー、羽生名人はホットコーヒーを注文しました。

戦型は相掛かり

第1局と第3局が一手損角換わり、第2局が矢倉でしたが、第4局は意表の相掛かりになりました。
羽生名人は渡辺竜王に矢倉をさせない作戦をとりました。両者の対戦で相掛かりは初です。
6_2
(流星@熊本)

羽生名人の初手は▲2六歩

20081126_1羽生名人の初手▲2六歩で第4局がはじまりました。このシリーズでははじめての出だしです。

1日目朝

おはようございます。菊池市は快晴です。

20081127asa
(対局場の菊池観光ホテル、正面)

20081127asasoto
(菊池市街)


20081127asacat

2008年11月25日 (火)

前夜祭後

両対局者は前夜祭の後、19時半ころから関係者だけの夕食をとりました。

熊本産の馬のタタキ
菊池産味彩牛(あじさいぎゅう)のステーキ
くまもとりんどうポークのしゃぶしゃぶ
菊池のピーナッツ豆腐

など、地元産の料理が並びました。20時半ころにお開きになり、両対局者は自室に戻りました。

20081126zensho
(関係者の夕食、初形)

前夜祭 写真2

前夜祭は18時30分から。立食形式で行われました。

20081126zenfruits

20081126zenuma

20081126zensushi

2008112glass

20081126zenannin

20081126zenice
(氷で作られた駒。王将駒の下に足つきの盤が)

20081126zenkaijo

前夜祭 写真1

20081126zenzen
(現地入りした関係者が壇上へ。左からネット中継担当の早水千紗女流二段、衛星放送解説の深浦康市王位、立会人の桐山清澄九段、渡辺明竜王、羽生善治名人、解説の山崎隆之七段、記録係の船江恒平三段、衛星放送聞き手の中倉宏美女流初段)

20081126zenwata
両対局者の話
渡辺竜王「竜王戦での熊本は第18期以来です。同じように第4局で、そのときは3連勝で気分よく迎えられたのですが、本局は厳しい立場です」
羽生名人「熊本には何度か来ていますが菊池市は初めて。空港から近くに、こんなに自然が美しく景色のよいところがあるとは知りませんでした」

20081126zenyosou
両対局者が一足先に退場したあと、展望座談会が行われました。
立会人・桐山九段「第4局の立会人のお話をいただいたときは、こんなに緊迫した状況で迎えるとは思いませんでした。渡辺さんに一番返してほしい気もしますし、歴史的瞬間を見たい気もします」
解説・山崎七段「戦型は相矢倉だと思います。じっくりした戦いにしたいと言っていましたから、ねじり合いになるでしょう」
衛星放送解説・深浦王位「桐山先生が言われたとおり、渡辺竜王が意地を見せられるかどうか。渡辺竜王がこのまま押し切られて自信をなくしてしまったら、次は山崎時代かもしれません」
山崎七段「え…」。

両対局者へのインタビュー

検分のあとに、両対局者はNHKのインタビューを受けました。

20081126interwata
渡辺竜王「ここまでいい将棋を指せていません。自分のせいで将棋ファンをがっかりさせてしまっています。第3局は時間も余してしまいました。本局はそうならないように、なんとかいい将棋を指せるように頑張りたい。最後になるかもしれないので悔いのないように指したいです」

20081126interhabu
羽生名人「10月にシリーズが始まって3局。自分ではいい感じできていると思います。力を入れすぎず、自然体で戦うことを強く心がけています。(あと1勝で永世竜王ですが、に)まだ対局も始まっていませんので何とも言えないですが…。緊迫感を、集中するためのよい方向に持っていけたら、と思います。自分の持っている力を振りしぼって、中身の濃い将棋を指したいですね」

盤、箱駒への署名

20081126shomei1
(検分のあと、両対局者は盤、駒箱に署名した)

20081126shomei2
(渡辺竜王)

20081126shomei3
(羽生名人。書きやすいように盤の足がはずされている)

20081126shomei4
(署名された盤。立会人の名前が入って完成)

盤駒検分

盤駒検分は17時に、対局場の「武王の間」で行われ、駒は江陽作の菱湖書に決まりました。立会人の桐山清澄九段らと検分をする両対局者です。前夜祭は18時半から行われます。
Kenbun

対局者一行現地入り

渡辺明竜王に羽生善治名人が挑戦する第21期竜王戦七番勝負は、第4局が27日9時から熊本県菊池市「菊池観光ホテル」で行われます。東京組の関係者一行は昼過ぎの飛行機で羽田を飛び立ち、熊本空港に到着しました。
そこから30分ほどバスに 揺られ対局場に入りました。
対局場、盤駒の検分は17時から行われます。

20081126haneda
(快晴の東京を飛び立った)

20081126bus
(熊本はあいにくの曇天)

(桜木@熊本)

竜王戦将棋道場

  • 携帯で竜王戦!
    携帯でも快適に竜王戦生中継が見られます。 20万人と通信対局できる携帯アプリも提供!

YOL

  • YOL