12時、図の局面で佐藤九段が10分使って、昼食休憩に入りました。消費時間は☗佐藤42分、☖山崎1時間4分。昼食注文は佐藤九段が「豚しゃぶ梅しそ弁当(鳩やぐら)」、山崎八段が「豚しゃぶごま味噌弁当(鳩やぐら)」。対局は12時40分に再開されます。
(紋蛇)
山崎八段の居飛車と振り飛車を天秤にかけた作戦に対し、佐藤九段が意表の手を指しました。▲8六角(2図)です
▲5三角成を見せて、後手に態度を決めさせようとしています。△5二金右や△4二金なら後手は振り飛車にしにくくなり、居飛車に限定できそうです。もちろん△8四歩~△8五歩とされると▲7七角で手損になるので善悪は微妙です。
後手が突っ張るなら、2図で△4五歩はあるかもしれません。▲5三角成なら△5二金左と受けます。
馬を左右のどちらに引いても、△6六角と歩を取ってから飛車のコビン攻めを狙ってどうでしょうか。△4五歩に▲6七銀なら、△4四角~△3三桂とすれば居飛車と振り飛車の含みにしたままにできます。
(紋蛇)
早々に「山崎ワールド」が始まっています。初手から▲7六歩△3四歩▲6六歩△3二銀(1図)の出だしでした。
珍しい出だしながら、1図の前例は55局もあります。ただ直近は2022年、その前は2015年に指されたことからもわかるとおり、公式戦ではそこまで現れません。
△3二銀は居飛車と振り飛車を含みにする意味と思われます。佐藤九段は向かい飛車に構えましたが、山崎八段は態度を明らかにしないまま自陣を整備しています。2図は11時前の局面です。
後手が居飛車にすれば次に△4二玉から囲って7筋の銀を急戦に使う構想、また相振り飛車を目指すなら△3二飛や△4五歩などの駒組みが浮かびます。佐藤九段はどちらの作戦にも対応できるように自陣を整備しないといけません。力戦形とあって、ともに序盤から時間を小刻みに使う展開になっています。
(紋蛇)