手抜いて急所に銀 森内名人は銀取りを手抜いて△6九銀(図)と先手玉に迫った。大盤解説会では中川八段がはっとした顔になる。「銀を打ちましたか。……ということは、読み切ったんでしょうか。読み切ったんでしょうね」と中川八段。▲6四歩には攻め合いで勝てるという判断だ。
逃げるか、それとも 渡辺竜王は▲6五歩(図)と打って銀に働きかけた。△5三銀は▲3五角が両取りになるので△7三銀が自然に見えるが、そこで再び先手に手番が来る。控室では銀を逃げずに△1八竜▲6四歩△6九銀(△4八竜は▲6六角でダメ)とガツガツ攻める順も調べられている。「これは意外と厳しい攻めでね」と中川八段はいう。
どう攻めをつなぐか 森内名人は△1八飛(図)と攻防に利く位置に飛車を打った。攻め駒の少ない先手はどう攻めをつなげていくか難しいところ。大盤解説会では、森下九段が「△1八飛は森内名人が踏み込んだ一着ですね。渡辺竜王相手に安全勝ちはないと判断したのでしょう。先手の攻めは細いんですけど、渡辺竜王はこうした攻めをつなぐ展開は得意ですからね」と解説していた。 (空が灰色の雲に覆われ、ぽつぽつと雨が降り出した)