カテゴリ「第32期竜王戦決勝トーナメント」の記事 Feed

2019年8月 5日 (月)

20190805k_218時、永瀬叡王が38分使って夕食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲木村3時間11分、△永瀬3時間30分。夕食の注文は永瀬叡王が豚しゃぶ弁当(鳩やぐら)、木村九段がちらし並(千寿司)です。対局は18時40分に再開されます。

20190805j_217時30分ごろ、夕食休憩まで30分ですが、木村九段は金を打ち込んで厳しく攻めました。△3三同銀は▲同歩成△同金▲同香成△同玉に▲3四銀が厳しく、後手は支えきれそうにありません。かといって▲3三金に玉を逃げるのは▲3二金で後手の駒損が拡大します。すでに後手が困っているとの声も聞かれているように、木村九段のリードが広がったようです。

20190805g_217時ごろ、さらに局面が動きました。上の図から▲8二角成や▲2九香ではなく、木村九段の指し手は▲4六角でした。以下△2七飛成に▲1六角△3六竜▲3八香(下の図)と成り込まれた飛車を迎撃しています。先手は玉の守りが薄いので食いつかれたら大変ですが、順調にリードを保っているようです。

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Dsc_5032 (木村九段、対局開始前の表情)

20190805f_216時過ぎ、局面は図のように進んでいます。先手は角取りをどう受けるのでしょうか。中継室では▲8二角成や▲2九香が有力とされており、いずれも先手ペースとの声が聞かれています。後手は駒損で攻めが細いのが気がかりのようです。

Dsc_5125 (将棋世界9月号と付録)

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20190805d_314時30分ごろ、局面は激しく動きました。上の図から△3六歩▲同飛△2七歩成▲同金△5四角と後手が強襲したのです。以下▲2六飛に△2七角成▲同飛△3六金(下の図)と進んでいます。▲2九飛と逃げれば△3七金と桂を取った手が、▲角△金桂の2枚換えとなります。後手は駒得になりますが、先手から▲5五角と金香の両取りで切り返される手があり、簡単ではないようです。

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20190805c_2控室に先崎学九段が訪れました。現局面を見て「これはもう、ただでは済まない宣戦布告ですね。△2六歩の狙いは△2七歩成▲同金△4五角▲2六飛△2五歩。▲2六同飛なら△5五角が香の両取りです。▲2八銀は△2四飛が気になりますね。▲2八歩がいちばん堅いです。▲2八歩は堅いけど、ものすごい利かされなので、打ちたくないんですよね。突っ張るなら▲3七桂でしょうか。後手は▲3五歩(35手目)に攻めたのは冒険心がありますよね。△7三桂が普通でしたから。攻めが1手早いんですよね」と見解を示しています。

Dsc_5119 (ネット中継の画面を見て見解を語る先崎九段)

Dsc_5117 (画面の盤面に指を使って読み筋を明かす)

Dsc_5104 (ふらっと中継室を訪れた先崎学九段)

20190805b_313時15分、図の局面を迎えました。△7五歩に対して先手の木村九段が▲3五歩と伸ばしたところです。相手の歩がない筋の歩を伸ばしていく自然な一着で、3三の桂にプレッシャーを与えています。対して後手はどう指すのでしょうか。△7六歩と取り込むのは▲7五角が飛車取りと5三への成り込みを見て厳しい切り返しとなります。永瀬叡王はこの記事の執筆中に△9五歩と9筋から動いていきました。▲9五同歩には△9七歩と垂らして、▲同香に△9八角と打ち込むのでしょうか。ここから一気に激しくなるかもしれません。

Dsc_5088 (自然な対応を見せる木村九段)

Dsc_5080 (9筋から動いていった永瀬叡王)

12時40分、対局が再開されました。

Dsc_5082 (先手番の木村九段)

Dsc_5074 (後手番の永瀬叡王)

Dsc_5100 (永瀬叡王は再開してすぐに△7五歩と突く)

Dsc_5095 (永瀬叡王)

Dsc_5092 (木村九段)

Dsc_5102 (午後の対局室)