カテゴリ「第28期竜王戦挑決第2局」の記事
16時頃の控室
「将棋世界」10月号
前例を離れる
14時44分、永瀬六段が△4五歩(図)として前例がなくなりました。前例の進行は△4五歩に代えて△9五同銀▲3七桂△9七歩▲9三歩△同飛▲8二角成。△4五歩に▲6八角と引けば後手陣右辺への角のにらみが消え、▲3七角ならば▲3七桂と跳ねられなくなります。
現局面、中村九段の本命は▲6八角。「ここで歩を打つということは▲3七桂と跳ねられるのが嫌だったんでしょうね。やっぱり前例を知ってるんだ。プロはすごいね」(中村九段)
赤坂・日枝神社(2)
赤坂・日枝神社(1)
対局再開
昼食休憩時の対局室
昼食休憩
将棋は脇システムで後手が6四に一度上がった角を△4二角と引く形に進みました。そして正午、この局面で永瀬六段が15分使って昼食休憩入りです。対局立会人の中村九段は「この後どちらが攻める展開になるのかがポイントですね」と話しています。昼食休憩までの消費時間は▲渡辺31分、△永瀬1時間5分。対局は13時に再開されます。
両対局者の竜王戦
2組2位の渡辺明棋王と4組優勝の永瀬拓矢六段。それぞれの竜王戦での成績をご紹介します。
渡辺棋王の竜王戦での成績は68勝26敗(0.723)。第14期(2000年)からの参加で、第17期にランキング戦4組優勝から決勝トーナメントも勝ち上がり五段で挑戦者に。七番勝負ではフルセットで森内俊之竜王(当時)を破り、竜王位を奪取した。その後第25期まで防衛を続け、9連覇を果たす。永世竜王の資格保持者。七番勝負出場10回。決勝トーナメント進出、挑戦者決定三番勝負進出はともに11期ぶり2回目。
永瀬六段の竜王戦での成績は33勝8敗(0.805)。第23期(2009年)からの参加で、ランキング戦優勝4回。決勝トーナメント進出も今期が4回目(2期ぶり)で、挑戦者決定三番勝負進出は今期が最初。また、4組以下の優勝者が決勝トーナメントで1組5位の壁を破ったのは、現行の方式が採用された第19期以降初めてのことだった。