カテゴリ「第26期竜王戦七番勝負第1局」の記事 Feed

2013年10月17日 (木)

Dsc_0419 (封じ手の封筒に署名する藤井九段。立会人が対局場所、日時、対局者名を書く)

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(藤井九段に続き署名を行う鈴木八段)

Dsc_0427(封筒の準備は完了。あとは中身だ。どちらが封じ手を行うのか)

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▲7五歩と森内名人が突いた局面。自玉頭を厚くする手だ。図の局面で鈴木八段の見解を聞いてみた。
「私は先手持ちです。いいペースだと思います。ただ優劣は別ですよ。渡辺竜王は低く構えてカウンター狙いです。後手は5一の金が4二へ上がれるかどうかがポイントになりそうです。進行の一例は△7五同歩▲6六銀。ここまでは行きます。そこで△5二金がいい手なんですね。△5二金には▲3八飛でしょうか。まだまだねじり合いが続きそうですね」と話してくれた。

Dsc_0410 (継ぎ盤に向かう鈴木八段)

 

Dsc_0381 (1日目にもかかわらず多くのファンが詰め掛けている。15時30分からは藤井九段と北尾女流二段、西村一義九段門下の兄妹弟子で解説を行っている)

Dsc_0402 (藤井調の解説は健在)

Dsc_0395 (北尾女流二段)

Ryuou201310170101_50図は50手目△8四角の局面。控室では▲6六銀右△7三桂▲4九飛△4二金上▲1七桂(参考1図)として、自分から動いていく順が検討されていました。
しかし、森内名人の指し手は▲8六歩。これは上部開拓を見せることで、後手から無理に動いてもらおうとしています。後手は5一金が離れているのが負担になる恐れがあります。

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Ryuou201310170101_sanko13▲8六歩に検討されていたのは△7三桂▲8五歩△9三角▲6六銀左(参考2図)というもの。参考2図の▲6六銀左は玉から離れて変なようでも、▲6六銀右では△6五桂▲8六銀△6六角▲同金△5七銀(参考3図)の強襲を食って先手失敗です。先手は自玉方面で動いているだけに、このように二人が借りで先手陣を攻める展開だけは避けねばなりません。
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その後、詳しく検討してみると、参考2図から△8二飛▲9五歩△6五桂▲同銀△8五飛▲8六歩△6五飛▲9四歩(参考4図)で先手も十分戦えることが分かってきました。
それらの変化を踏まえて、実戦は▲8六歩に△同歩▲同銀△8二飛と進みました。地味ながら読み深い応酬でした。

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本局に使用されている駒は宮松影水作錦旗書の盛上げ駒。(故)渡辺東一名誉九段のご遺族が野田市に寄贈した逸品だ。盤は地元の愛棋家の方のもの。
渡辺名誉九段は関宿町の出身で(故)関根金次郎十三世名人門下。2003年に関宿町は野田市に編入した。本局は野田市合併10周年で誘致された。

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