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第94期棋聖戦五番勝負第1局

2023年6月 5日 (月)

意表の順

230605084_21図は△3八飛成▲同銀△6七金以下の詰めろがかかっていたため、▲3六歩が予想されていました。しかし、藤井九段が選んだのは▲5二と△同銀▲同金△同玉▲6七銀(2図)。△6七金だけは絶対に打たせないという順ですが、攻め駒2枚を盤上から失うので意外です。先手を取る受けでもありません。「受けて勝とうということですが、これは浮かびません」と小林健二九段。

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(牛蒡)

藤井棋聖、連続長考

230605084△5七歩成▲同歩△4五角で図の局面。▲5七同歩の考慮時間は37分、図も局面でも藤井棋聖は手を止めています。形勢がよくなってからのほうが時間をかけています。実に慎重です。「ここまできたら逃したくない。しっかり勝ちたいということですね。佐々木さんも正確にやられたら勝てないと思っているはずです」と小林健九段。

Dsc_4934(18時5分、沈む夕日)

(牛蒡)

先手よし

230605081佐々木七段は80手目に△3五飛を選択。藤井棋聖はすぐに▲5八歩を指し、そこで佐々木七段がまた考えています。思わしい手がありません。「△3五飛で差が開いたと思います。でも苦しんで指したから仕方ない」と鈴木九段。一方、藤井棋聖は67手目▲6七金で1時間超えの長考をして以降、あまり時間を使わずに指しています。読み筋通りに進んでいるのだと思われます。形勢は先手よしです。

Dsc_4763(気づけば藤井棋聖がよくなっていた)

(牛蒡)

さらに残り30分を切る

230605079_279手目▲7八玉の局面で、佐々木七段は40分以上考え、残り30分を切りました。深浦九段は「いい寄せが見えなくて苦しんでいる」とABEMAで解説。先手ペースと話しています。

次に▲5八歩が入ると先手陣はしっかりします。後手は攻めていきたいのですが、図から△5七角▲7八玉△7六歩▲同銀△6六角成▲7七歩△5七歩成▲5二金△3三玉▲5三とは先手が勝ちそうです。「容易に崩れないのが持ち味」と自他ともに認める佐々木七段。少し苦しい局面こそ真価を問われます。

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(牛蒡)

佐々木七段、残り1時間を切る

230605079時刻は16時を過ぎました。形勢はまだはっきりしません。図から△5五飛▲5八歩△4五角が調べられていますが、木村九段は「難しいんだねえ」とうなっています。ただ、佐々木七段は図で時間を使い、残り1時間を切りました。藤井棋聖は残り1時間35分。時間に差がついてきました。

Dsc_4924 

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(牛蒡)

午後のおやつ

15時になり、午後のおやつが出ました。

藤井棋聖  バンヤロン、パイナップルジュース
佐々木七段 チェー、アイスブラックコーヒー

午前に藤井棋聖が頼んだチェーは「フルーツと豆のベトナム風ぜんざい」でしたが、今回の佐々木七段が頼んだチェーは「バナナとココナッツのベトナム風ぜんざい」です。名前は同じチェーでも種類はいくつもあるようです。

Dsc_4877(藤井棋聖のおやつ)

Dsc_4898(佐々木七段のおやつ)

(牛蒡)

2方向から迫る先手

23060506714時21分、▲6二金が指されました。先手は3七金と4七銀で後手の飛車を圧迫し、と金と6二金で後手玉に迫っています。玉と飛車を同時に攻める展開は先手にとって理想的です。後手は避けたいところですが、具体的にどう網を破るかというと難しそうです。図で△4二玉の早逃げは▲3四桂の王手が気になります。また、▲6三とも落ち着いた手で、以下△3一玉は▲5三とで後手が困ります。

Dsc_4851(今期五番勝負の記念扇子)

(牛蒡)

木村野原ペア

大盤解説の出演は一巡し、ふたたび木村九段と野原女流初段のペアで解説しています。

Dsc_4781(木村九段)

Dsc_4830(野原女流初段)

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(牛蒡)

対局再開

佐々木七段は席に戻るなり、前傾姿勢で考え始めました。後手の飛車周辺が現在の急所です。先手がかけてきた圧をどう受け流すか、それとも力で押し返すのか。早くも勝負どころです。

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Dsc_4722 

Dsc_4730 

Dsc_4732 

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(牛蒡)

休憩中の対局室

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Dsc_4668(駒は大竹竹風作、菱湖書)

Dsc_4672(対局室から見える景色)

(牛蒡)

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