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第92期棋聖戦五番勝負第2局

2021年6月18日 (金)

結末が見えない

Kisei20210618010165 図は藤井棋聖が▲6八金右と5八から金を寄ったところ。この手に17分使った藤井棋聖は残り7分となりました。図から△8七角成には▲同金△同飛成に▲7七金の応対をABEMAで藤井猛九段が示しており、そうなると先手が指せるようで、小林健九段は「どこまでいっても結末が見えないね」とつぶやきました。残り50分ある渡辺名人は、どういった方針で進めるでしょうか。

(潤)

渡辺名人、長考

Kisei20210618010163_2 図の局面で渡辺名人が30分以上の長考に沈んでおり、時刻は17時を回りました。ここで△8七角成▲同金△同飛成と突き進むのは、▲7八角打が攻防手で先手よし。よって、攻める前に△3四歩や△2四銀とあらかじめ▲7八角打から▲2三角成の筋を受けておくのが有力と見られています。

Photo_82 (四冠を目指す渡辺名人。そのためにもこの第2局はどうしても勝っておきたいところだ)

(潤)

動かない桂香

Kisei20210618010163 図の局面で、控室では湊さんが井上九段に「まだ桂が動いていませんね」と問い掛けると、井上九段は「ほんとですね。ひょっとしたら本局はこのまま動かないということもあるかもしれないです」と返しました。第1局では藤井棋聖が4枚の桂を保持した場面もありましたが、本局は桂、さらには香が初期配置のままという可能性も出てきました。

Photo_81 (16時45分頃、モニターに映る両対局者の様子)

(潤)

心配と信頼

Kisei20210618010158 図は16時頃の局面。藤井棋聖が8分ほど考えており、残り時間は42分となって再び渡辺名人との差が1時間以上に開きました。控室では「形勢自体は難解だと思いますが、この局面で残り1時間の差がついているのはきついです」と心配の声が出ましたが、「ただ、これがいつもの藤井棋聖のペースでもあるけど」と、信頼の声も聞かれました。

Photo_80 (朝の藤井棋聖。勝てば初防衛にあと1勝となる)

(潤)

ホテルニューアワジ(3)

Photo_73 (1階庭園。きれいな花が咲いていた)

Photo_75

Photo_79(外に出ると、滑り台つきの大きなプールが見えた)

Photo_76 (東を望む。写真のさらに左手側に、天気のいい日には関空が見えるとのこと)

Photo_77 (鷺だろうか。遠くをじっと見つめていた)

Photo_78 (浅瀬の海は透き通るような色だった)

(潤)

午後のおやつ

15時になって午後のおやつが対局室に運ばれました。藤井棋聖は「オレンジジュース、アイスティー」。渡辺名人は「イチゴのショートケーキ、アイスコーヒー」を注文しています。

Photo_71 (藤井棋聖が注文した「オレンジジュース、アイスティー」)

Photo_70 (渡辺名人が注文した「イチゴのショートケーキ、アイスコーヒー」)

Photo_72

(潤)

井上九段の見解

Kisei20210618010147 図は藤井棋聖が▲6八銀と上がった局面。控室で後手側を持って検討中の井上九段は「そろそろ取りにいきたなー」の言葉とともに、(1)△8四飛と浮き、▲4七角に△7六角と歩を取る手を示しました。ただし以下▲7七銀△8七角成▲同金△同飛成に▲8八飛(参考1図)と強く迎え撃たれると、飛車交換は先手に利があるところで「この順は後手は指せないね」と候補から除くと、「(2)△3三銀と上がっておくところやろうか」と。ただしこれも▲7七銀△2二玉に▲5六角(参考2図)で先手ペースの見解を示しました。井上九段は「後手は矢倉に組めますけど、先手の広さが評価されるのが現代の将棋で、私も以前なら後手を持ってもいいかなと思ったかもしれませんが、いまだと先手を持ちたいところです」との見解を示しました。

Kisei20210618010155

Kisei20210618010151

Photo_69 (井上九段は後手側を持って検討するも、先手を持ってみたいとの見解を示した)

(潤)

ホテルニューアワジ(2)

Photo_64 (ホテルニューアワジ屋上。足湯が2つ設けられていた)

Photo_65

Photo_66 (足湯の効能が記されていた)

Photo_67 (足湯の横には7つの露天風呂が設けられていた)

Photo_68 (屋上には展望台もあり、双眼鏡が置かれていた)

10 (展望台からの景色)

(潤)

産経新聞観戦記

ヒューリック杯棋聖戦は産経新聞主催の棋戦。本日18日の朝刊は、第92期挑戦者決定戦1回戦の▲豊島将之竜王-△鈴木大介九段戦が本間七段による執筆で掲載されているところで、本局の観戦記も担当する本間七段は「本局の掲載は少し先になるかもですね」と話されました。

Photo_61(本日の産経新聞。新聞観戦記は本局と同じく本間七段によって執筆されている)

Photo_62 (28日の朝刊に観戦記を執筆する湊かなえさん。2014年に湊さん執筆の推理小説『Nのために』がテレビドラマ化されたが、将棋のシーンがたくさん盛り込まれていたことでも知られている)

Photo_63 (控室で本間七段が湊さんに本局の解説を行っていた)

(潤)

再開後の一手は△7三銀

Kisei20210618010140 対局再開後の一手は△7三銀でした。控室でも候補に挙がっていた手で、小林健九段は「自然な手ですね」と感想を残しました。ただ、以下▲1五歩△6四銀に▲7四角(下図)と歩を取った手で、井上九段は「▲1四歩といきたかったけど、あかんかったんかなー」と、意外そうな表情で話されました。

Kisei20210618010143 (潤)

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