図は16時20分頃の局面です。後手の飛び道具が先手玉を取り囲んで大きなプレッシャーを掛けていますが、先手の６四角も▲５三成銀の攻めに加えて▲７三角成と桂を外す手を視野に入れた攻防の位置取り。形勢はかなり難解なようで、控室の検討も熱が入っています。

（渡辺棋聖）

（睡蓮）

（四人の棋士が継ぎ盤を囲んでいる。左から青野九段、杉本昌隆八段、森下九段、勝又清和七段）

（杉本昌八段は、藤井七段の師匠だ）

（勝又七段は、産経新聞の観戦記執筆陣の一人）

（しばらくして、日本将棋連盟常務理事の鈴木大介九段も姿を見せた）

（睡蓮）

△９九飛（図）に、まだ藤井七段が考慮を続けています。14時23分、藤井七段の現局面での消費時間は１時間10分に達しました。残り時間は54分。渡辺棋聖のほうは、２時間33分残しています。第１局、第２局と同じく、残り時間に差がつく展開です。

（藤井七段。時間切迫を恐れずに考え続ける）

（睡蓮）

15時になり、両対局者に午後のおやつが出されました。注文は渡辺棋聖が「アイスコーヒー」、藤井七段が「アイスティー」です。

（左がアイスコーヒーで、右がアイスティー）

（睡蓮）

図は14時45分頃の局面。28分の考慮で打たれた△９九飛に、藤井七段が30分ほど考えています。すでに彼我の玉の寄る寄らないまで読みきったうえで指し手を決める必要がありそうな局面で、終盤戦に入ったといって差し支えなさそうです。

（渡辺棋聖）

（藤井七段）

（睡蓮）

都市センターホテルを出て正面方向に少し歩くと、清水谷公園があります。こちらの場所は江戸時代の紀州徳川家、井伊家の屋敷境に当たり、その境が谷であったこと、また紀伊家の屋敷内に清水が湧き出てきたことから、「清水谷」と称されていました。明治時代の中頃になって一帯が東京市に寄贈されたのを機に公園として整備され、現在は千代田区が管理しています。1878年（明治11年）に明治維新の元勲・大久保利通の暗殺事件（紀尾井坂の変）が起きた地でもあり、公園内には哀悼碑が建てられています。

（都心の一等地に位置する緑豊かな公園）

（水際で亀が甲羅干しをしていた）

（大久保利通哀悼碑は公園の中央にある）

（玉川上水の本管の一部だった石桝が展示されている。玉川上水は、江戸時代に市中に飲料水を供給していた六上水の一つ）

（石の表面には、ノミで荒削りして模様がつけてある）

（睡蓮）

図は13時30分過ぎの局面。藤井七段が、渡辺棋聖の攻めを引っ張り込む強気な指し回しを見せています。△９九角成に対する図の▲７七桂が、控室の棋士たちを驚かせました。以下△９八角▲９七玉△８九角成▲８八金打△９五歩といった要領でどんどん攻めてこられる公算が大きいだけに、この大一番で指すにはかなりの胆力が必要な一手です。

（藤井七段）

（睡蓮）

（藤井七段は12時50分に戻ってきた）

（局面はもう、終盤戦一歩手前といってもよさそうな状況）

（渡辺棋聖は12時57分に戻る）

（対局再開。藤井七段は、しばらく間を取って最終確認をする様子を見せてから▲２六金と指した）

（渡辺棋聖は身を乗り出す。午後の戦いが始まった）

（睡蓮）

（昼食休憩時の対局室）

（渡辺棋聖の側から見た盤面）

（後手は先手玉頭に手を出していっている）

（睡蓮）

この局面で藤井七段が19分使ったところで正午になり、昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲藤井１時間42分、△渡辺34分。昼食の注文は、渡辺棋聖が「天ぷら御膳」、藤井七段が「冷豚しゃぶサラダ定食」。対局は13時に再開されます。

（渡辺棋聖の昼食）

（藤井七段の昼食）

（睡蓮）