前夜祭(3)
(五嶋清・産経新聞社取締役大阪代表)
「ここ淡路島は忘れもしない30年前、ここを震源地とする阪神・淡路大震災が起きました。震災翌年の平成8(1996)年、復興を願う地元の方々の誘致によって棋聖戦が実現して以来、長く地元の人に受け入れられ、長きに渡ってこれを続けることができたことに意義を感じております。
先ほどお話をうかがっておりましたら棋士の皆様はこどもの頃から将棋を指しているので前日に緊張のあまり眠れないとか、物事が手につかないとか、そういうことはないそうです。対局者のおふたりには明日全力を尽くしていただくためにも、今日はお風呂なり景色なりを存分に楽しんでいただきたいです。
第1局は終盤まで激しい攻め合いを繰り広げ、藤井棋聖が最終的に押し切る形になりました。杉本六段が巻き返しを図れるかどうか、この第2局はシリーズの今後を占う重要な一局になり、注目も高まっています」
(糸谷哲郎・公益社団法人日本将棋連盟常務理事)
「淡路島での棋聖戦も30年開催されており、関西将棋界の夏の風物詩として非常に親しまれております。こういった素晴らしい海を見て指せる対局場はなかなか少なく、何回か来た私もまた楽しみにしていました。
第1局は非常に激闘で、本局もこの淡路島での長い棋聖戦の歴史に新しい1ページを刻み、この海に輝く朝日のごとくきらめく一局になることを期待しています」
(棋士紹介。立ち上がっているのが記録係の関祐人三段)
(翔)