カテゴリ

« 藤井棋聖が残り1時間を切る | メイン | ついに決戦 »

2023年7月 3日 (月)

深浦九段に聞く

20230703_73

控室を訪れている佐々木七段の師匠である深浦九段に話を聞きました。
「藤井棋聖が毎局違うテーマで指していることに感心します。得意なパターンにこだわっていないんですね。私は3月の棋王戦五番勝負第3局で立会人を務めましたが、そのときに本局みたいに藤井棋聖が中段玉の将棋を指して苦労していました。そういうイメージがあったのですが。▲8六玉(73手目)と寄った手は、局面の最善を追求した結果で妥協なく感じます。
本局で佐々木が工夫の一つを出してきましたが、藤井棋聖に勝つことの大変さを感じます。本局のように、互いに辛抱する展開を予想しにくいです。その中でよく戦っていると思います。盤上でかけがえのない経験を得て、これからの将棋に必ずプラスになります。でも、そのうえで勝つことが求められていて大変なことです。
第1局、第2局、第3局と藤井棋聖のやり方がすべて異なります。3局とも同じ対局者だと思えません。私が1996年に羽生善治九段と王位戦七番勝負を戦ったときは、羽生九段が中終盤が強いということからパターンを絞れましたが、そのときとは違います。本局のような展開でも均衡を崩さずに保たないといけません」

Dsc_7411 (控室で検討する深浦九段)

(銀杏)

=== Copyright (C) 2009 >>> The Sankei Shimbun & Japan Shogi Association === All Rights Reserved. ===