終局直後
◆両対局者の談話
――先手番に向けて準備されたということで、50手目くらいまで消費時間は数分で進みました。この辺りの展開は準備していた通りでしょうか。
藤井 そうですね。考えていた展開の一つでした。
――56手目△8六歩に▲同歩は研究通りでしょうか。
藤井 はい、そうでした。
――73手目▲2二歩までも早かったですが。
藤井 手は広いですが、そこまで進めていこうと思っていました。
――感触はいかがでしたか。
藤井 難しいのかなと思っていました。
――永瀬王座に伺います。73手目▲2二歩に長考されました。その辺りはいかがでしたか。
永瀬 △8四金(72手目)は感触が悪い手なので、嫌な感じもしました。▲2二歩と打たれて、指し手が難しいと感じました。
――午後はどのように考えていましたか。
藤井 △3三桂(74手目)に対して、どういう組み合わせがいいか分からなくて、本譜はよくない順を選んだと思っていました。
――▲2二歩をきっかけに攻守が変わったということはありませんか。
藤井 こちらは8六の歩が残っていたので、それほど成算はない指し方になっていると思っていました。
――全体を振り返って、いかがですか。
藤井 途中はあまり自信のない局面もありましたが、最後は上に玉が逃げていって、少し余せると思いました。
――永瀬王座は、午後に入っての進行はいかがでしたか。
永瀬 ▲2二歩への対応が……。△3三桂ではバランスを崩していると思いましたが、ほかの手の見通しが立ちませんでした。こちらとしては手が難しいと思いながら指していました。
――藤井棋聖は、防衛にあと1勝となりました。次局に向けての意気込みをお願いします。
藤井 スコアは意識せずに、しっかり準備して臨みたいと思います。
――永瀬王座としては、1勝2敗になりました。
永瀬 次局までに少しでも棋力を上げて、いい内容の将棋を指せればと思います。
(睡蓮)