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2022年4月25日 (月)

永瀬挑戦者インタビュー

感想戦終了後、挑戦を決めた永瀬王座にインタビューが行われました。

――挑戦者決定戦を制して、藤井棋聖への挑戦権を獲得しました。
永瀬 初めてのタイトル戦ですので、実現できてよかったです。
――3期前に当時の藤井七段と挑戦者決定戦で敗れました。その藤井棋聖が待ち構えていることについていかがでしょうか。
永瀬 七段当時に挑戦者決定戦を戦って、そこから藤井棋聖のタイトル戦の連勝が始まった印象です。七段でしたが、力の差があると感じてしまっていたので結果は仕方ないと思っていました。現在はやってみないとわかりませんが、強いことはわかっているので、まずは1勝を上げられるようにと思っています。
――藤井棋聖との対戦成績は永瀬王座から見て3勝7敗ですが、2連勝中でもあります。
永瀬 3勝7敗ですが、渡辺名人とのスコアのほうがかなり悪いので気にしていないところはあります。藤井棋聖との対戦は最初にかなり差があると感じていましたが、3勝7敗なら仕方ないと思います。
――6月3日に五番勝負が開幕します。そこまでに向けてはいかがですか。
永瀬 藤井棋聖の実力は自分がいちばんわかっていると思います。1ヵ月ちょっとの時間を精一杯あてて、なりふり構わずやらないと勝負にならないという印象です。
――昨年の王将リーグで勝たれたことが大きかったとうかがっています。その対局を振り返って、対戦のヒントを得ましたか。
永瀬 藤井さんと対局できると得るものはたくさんあります。王将リーグは一日のことを鮮明に覚えている対局で、自分はそこから浮上できたので大きな1勝でした。あと、藤井棋聖は消化試合だったのですが、それは気にしないタイプなのは知っていました。そこで勝つことができたのは大きかったと思います。
――永瀬さんが名古屋にいったり、藤井さんが東京にきたり研究会をやっているとうかがっています。この1年の交流はいかがでしょうか。
永瀬 1年では会って指したのは1回ありました。自分が名古屋での対局の前にありました。朝日杯の前です。藤井棋聖が二冠のころです。それ以外は対面ではやっていません。ただ、藤井棋聖は対面のほうが集中型なのが知っているので、対面でやるとまた違うのかなと思います。
――オンラインはどのくらいやっていますか。
永瀬 頻度は言えませんが、定期的にという感じです。

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――藤井棋聖の強さをどこに感じますか。また、ほかの対局もご覧になって、藤井棋聖の将棋をどう感じていますか。
永瀬 最近は藤井棋聖の対局がなかったですが、エンジンをかけてくると思います。藤井棋聖は棋士になりたてのころから知っていますが、変わらないのがすごみだと思います。普通は変わってしまう気がしますけど。それがすごいところだと思います。
――変わらないのは将棋に対する姿勢とか気持ちの面でしょうか。
永瀬 気持ちですね。タイトル戦負けなしですし、余裕を持たれて何かをするのが自然と思いますが、結果を出しても満足していないタイプだと思います。例えば、99うまくいっても、残りの1でうまくいかなかった部分を掘り下げてくるタイプです。それを知っているので、すごいことだなと。タイトル戦で負けなしなら、99勝っているなら、1を掘り下げる必要がないと思うのですが、掘り下げてくるのが明らかにわかります。出た結果ではなく、全体で見るんです。少し悪いところがあれば、しっかり見るんです。それが四段のころからまったく変わっていなくて、それがすごいことだと思っています。
――タイトル戦は初めてです。特別な気持ちはありますか。
永瀬 タイトル戦自体が厳しいと思っています。なので、感慨に浸っている場合ではなく、しがみついていくしかないという印象です。感傷に浸る余裕はないと思っています。
――五番勝負に向けてコメントをお願いします。
永瀬 渡辺名人には去年も負けていますし、勝ててよかったです。藤井棋聖との対局を注目していただけるかは自分次第と思っています。6月までの日程をうまく使って1勝できるように、こちらが棋力を上げられるように勉強したいと思っています。

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(書き起こし=銀杏、撮影=文)

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