(羽生棋聖はコップの飲み物に口をつけていた)
(うつむきがちに主催者インタビューに答える)
◇羽生棋聖の談話
――本局を振り返っていかがですか?
羽生 ちょっと難しい展開だとは思ったんですが、ただ……。攻め込まれる展開になって、何かあったらまずいかなと思いながら指してましたね。
――ポイントになった局面はありますか?
羽生 いやー、何かちょっとそうですねー……。お昼休み前に▲2二歩(63手目)と打った手とかはもしかしたら危なかったのかもしれません。ほかに適当な手がちょっと分からなかったので。
――これで2勝2敗のタイになりました。来週に第5局ということになりまして、羽生棋聖に関しては棋聖11連覇、タイトル通算100期が懸かります。
羽生 最終局なので、悔いが残らないように指せたらいいなと思います。
(豊島八段。第4局で決めることはできなかった)
◇豊島八段の談話
――本局を振り返っていかがですか?
難しいかなと思って指していたんですが、途中からちょっとまずくなってしまって。元々まずかったのか、▲7五角(95手目)と打たれたときの対応を間違えたのかもしれません。
――序盤はかなりテンポよく指されていましたが、研究の範囲内だったのでしょうか?
豊島 そうですね。この形になったらこう指そうと思っていたので。
――70手目の△5五角で49分、続いて72手目の△6八銀で1時間17分。連続で長考されましたが、この辺りはご自分ではどのように感じられていたのでしょうか?
豊島 △6八銀と打つ手はかなり危ない手なので。ただ、△8五歩と単に合わせる手は自信がありませんでした。△6八銀もそこまでいける感じはしなかったんですけれども、仕方ないかなと。
――本局で敗れはしましたが、まだ来週の第5局に勝てば初タイトルです。意気込みをお願いできますでしょうか。
豊島 そうですね。気持ちを切り替えてまた頑張りたいと思います。
(睡蓮)