前夜祭(6)
両対局者に花束が贈呈されたあと、羽生棋聖、斎藤七段の順に挨拶がありました。
「皆さまこんばんは。第88期棋聖戦の前夜祭に、たくさんの方にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。もうすっかり恒例になりました、淡路島の開幕局ということで、毎回地元の皆さまには熱烈に歓迎していただいて大変うれしく思っております。私もですね、いままで数多くの場所で対局していますけれども、淡路島での対局数も多くなってまいりました。また今回は斎藤七段という、関西の若くて非常に勢いのある棋士と対戦をするということです。いちばん最初に来たのは20年前ですので、ひしひしと時の流れというものを感じざるをえないと。そう思うことも最近は多いです。
最近は将棋界をさまざまな形で取り上げていただくということが増えてきまして、大変ありがたいという風にも思っています。またですね、最近よく取り上げられているのは、大先輩の大先生と、非常に若い……あのー、はい。ちょっとやっぱり、真ん中のところもいるということを見せていかなければ、と思っております。
明日は現地でも大盤解説会が開催されるということで、たくさんの皆さまに対局の展開を見ていただくということになります。やはりいちばん大事なのはですね、将棋の面白さ、深さ、そういうところを対局を通じてファンの皆さまにお伝えしていくことだと思っております。自分なりに精一杯指していきます」
(書き起こし:虹記者。写真:潤)
(潤)