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2016年8月 1日 (月)

終局直後

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■羽生善治棋聖
―― 本局は一手損角換わりでした。
羽生 4筋の位を取られて、よくわからない将棋になってしまいました。
―― △6八金(76手目)は控室で驚いていたんですが。
羽生 ああー、いやー、そんなに成算があったわけではないですけども、容易ではない局面だと思ったので、角をさばいてどうなるかなあと思っていました。
―― △9九角成(80手目)から△6六馬(90手目)と、角が活躍しました。
羽生 どうなっているかわからなかったですね。けっこう際どい勝負ではないかと思って指していました。
―― 本譜は△2五香(84手目)が効きました。
羽生 その筋があるので△6八金と打っていったんですけど、ただちょっと……詳しく調べてみないと是非はわからないですね。
―― このシリーズを振り返っていかがでしょうか。
羽生 第1局の千日手を含めて、けっこう苦しい感じの対局が多かった気がします。
―― これで3勝2敗で防衛、棋聖9連覇、獲得15期、獲得タイトルは95期になりました。
羽生 全然そういうことを考える余裕がなかったので、あんまり実感は湧かないですが、よかったかなあと思います。
―― 最近、若手の挑戦を受けられて、名人戦はうまくいきませんでしたけども、若手への対応というか、対策というか。
羽生 でも特別何かができるわけではないので、いままでと同じように次に向かっていくしかないとは思っています。
―― 棋聖を防衛されて、次の目標は。
羽生 終わったばかりなので、これというのはすぐには思い浮かばないですけど、いまやっている棋戦を集中してやっていくことになると思います。
―― 秋には王座戦でまた若手が挑戦してきますが。
羽生 それも自然なことというか、そういうものとして受け止めなくてはいけないなと思います。

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■永瀬拓矢六段
―― 矢倉ではなくて一手損角換わりになりました。本譜は用意の作戦だったのでしょうか。
永瀬 用意ではなかったのですが、本譜のような形にしてみようかなというイメージがあったので。
―― 玉が6八から5八、4八へと動きました。
永瀬 ちょっと模様が悪い感じがあったので、局面を変えて勝負になればいいなくらいの感じではありました。
―― △6八金(76手目)に対してはいかがでしたか。
永瀬 もとを考えると少し難しいような気がしたんですが、△2五香(84手目)から、△4四歩(86手目)や△6六馬(90手目)のような手がきつく感じたので、少しずつ足りないのかなと思いながら指していました。
―― シリーズを振り返ってみて感想はいかがですか。
永瀬 最終局でチャンスというチャンスが作れなかったので、もう少し勝負どころを作りたかったなという思いはあります。
―― 今回は残念ながら惜敗されましたが、これからの目標は。
永瀬 今回のシリーズで自分に足りていない部分がよく見えたので、それを少しずつですが補っていければよいなと思います。

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(文)

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