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2016年7月31日 (日)

見どころ解説

両対局者が退場すると、屋敷九段と三浦九段による見どころ解説が行われました。

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三浦 ちょっと聞きたいのですが、明日はどちらが勝つんですか。
屋敷 それは三浦先生に語っていただかないと。私は先ほど、あいさつを担当したので、勝利予想は三浦九段に。
三浦 では当てますよ。永瀬さんのあいさつは棒読みっぽくなかったですか。あと、検分しましたよね。盤が光って見えるといってましたよね。ずいぶん神経質になっていたような気がします。
屋敷 第3局に中断したというのがありましたよね。三浦さんの兄弟子(藤井猛九段)が立ち会いをしていたときに。光の具合は気になるみたいですね。
三浦 羽生さんは慣れているというか。泰然自若というか。
屋敷 羽生さんはいつも、あんな感じですよね。

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三浦 明日、永瀬さんが勝ったら、それだけ集中して勝負に徹していると。永瀬さんが負けた場合は、神経質になって気負っているから、それが敗因だと。どっちかだと思います。
屋敷 それは誰でもわかります。どっちですか。どっちに作用すると思いますか。
三浦 まあ、それは。そういえば高島屋さんは、最終局とかいろいろ歴史がありますよね。確か屋敷先生が、中原先生からタイトルを獲得されたのが?
屋敷 そうですね。中原誠棋聖と戦いましたね(第56期棋聖戦五番勝負)。もう26年たっていますが(当時の棋聖戦は年に2回、五番勝負が行われていた)。
三浦 こちら(高島屋)が最終局でしたよね。いまでも破られていない史上最年少タイトルホルダーですね。
屋敷 ありがとうございます。自分じゃいいにくかったので(笑)。三浦さんもありましたよね。七冠を崩した男ということで。そういった意味で歴史は動いています。
三浦 ということは……。
屋敷 おおっ。ということは。
三浦 ただ、そういったことを跳ね返してきたのが、羽生さんですから。明日の振り駒も注目ですよね。
屋敷 振り駒はたしか三浦三段です……。ああ、後ろにいますね。
三浦 今回のシリーズは後手番が勝っていますよね。
屋敷 第1局が千日手になって。指し直しで永瀬さんが先手で勝って。以降は後手番が勝っています。
三浦 でも後手を好きな人はいないですよね。
屋敷 ほぼいないと思います。
三浦 戦型の予想をしましょう。永瀬さんが後手なら横歩取り。永瀬さんが先手のとき、そこで羽生さんが何を指すか。
屋敷 第4局はびっくりしましたね。中原流急戦矢倉、20年くらいぶりに見た気がします。
三浦 永瀬さんは物心ついていたかどうか、というころでしょうね。そういったことを考えて「これ知らないでしょう」という、古い将棋が出てくるかもしれません。

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三浦 横歩取りは先手は避けにくいでしょう。
屋敷 羽生さんは避けないでしょう。
三浦 では羽生さんが後手になったら、面白い戦型が見られそうということですね。
屋敷 マニアックな形が見られるかもしれません。終盤はどちらも強いですから。
三浦 といったまとめで、許していただければ(笑)。

(書き起こし=吟、写真=文)

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