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2016年6月17日 (金)

前夜祭(5)

対局者退場後、棋士紹介と見どころ紹介が行われました。

Dsc_3687_2 (左から室田伊緒女流二段、竹内貴浩指導棋士四段、荒田敏史三段、村田顕弘五段、澤田真吾六段、飯島栄治七段、石田和九段)

Dsc_3692_2 (青野九段、飯島七段、石田和九段)

石田和九段 棋聖戦第2局なんですけども、「常勝」羽生さんも今回はカド番という気持ちで臨むと思いますよ。相手が4戦して1番も勝てない永瀬さんということで、今日はいつになく厳しい表情でした。戦型は……現役の人に任せたいと思います。じゃあ飯島さん、よろしく。

飯島七段 明日の対局が非常に重要なんです。羽生棋聖が負けて残り3連勝しないといけないとなると、防衛はかなり厳しいと思っています。今回は第1局から日にちが開いていますから、充電というか、調子を戻してくると思っています。明日の一局が非常に重要で、明日でほとんど決まると思っています。戦型は……(会場から「引き角!」の声)引き角にはならないですね。私は引き角になってほしいんですが。横歩取りの可能性はあると思います。あとは矢倉ですかね。立会人の立場として、お二人とも名局を指していただいて、明日の大盤解説会にたくさんの方が来ていただけるように祈っています。

青野九段 羽生さんは19歳でタイトルをとってから、1回も「今年は不調だな」というのがない人なんですね。これは非常に珍しい。名人戦は第2局で詰みを逃して、そこからガタガタと3連敗したわけですが、人間だなと思ったんですね。でもそういうことが長く続かないのが羽生さんです。この棋聖戦で立ち直れるか、永瀬さんに一気に持っていかれるか、そこがいちばんの見どころですね。羽生さんは45歳、永瀬さんは23歳で年が2回り違う。これは大山(大山康晴永世棋聖)-中原(中原誠永世棋聖)、中原-羽生の関係とだいたい同じで、自分がさんざんやられたことがないわけですから、あんまり怖くない。これはひとつの強さです。明日の対局は羽生さんが今年どうなるかを占う、非常に重要な一局になると思います。

(書き起こし=文、写真=紋蛇)

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