読みの入った応酬
佐藤康九段に、昼食休憩明けからの展開を振り返ってもらった。「後手の森内竜王が攻めを呼び込みました。それに対して羽生棋聖は曲線的に攻めていきましたね。もっと直線的に攻める順もありました」
「△5五銀打(図)が森内流の強い手でしたね。ここは後手持ちだったのですが、今はよくわかりません。羽生棋聖も自信を持って指しているという感じはしないのですが……」
佐藤康九段は「控室の検討も当たりません」と難しい顔。ちょうど▲4五歩(図)が指されると、ニコニコ生放送の電話出演を終えた糸谷六段が「全然当たんないよー」と悲鳴を上げた。「読みの入った応酬が続いています」と佐藤康九段は話す。ただ、図で△4五同金のときに銀当たりの処置が難しい。▲4五歩に代えて単に▲3五銀と引いておく手はどうだったのか、と検討陣が意見を交わしている。
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