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2009年7月 9日 (木)

わかつき別邸(2)

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【グミの木】
凄龍池(右)の池尻に、ゆうに樹齢百年を超えるグミの古木がある。これは散歩中の若槻礼次郎がひと目で気に入り、頼み込んで自宅の庭に移植したもの。姿かたちが天に駆け上がる龍を連想させるため、「昇龍のグミ」、「虚空をにらむ龍」と呼ばれている。

『伊豆な植物の宝庫である。その中から、なぜ若槻が「グミ」を選んだのだろうか。そこには遠い少年期の記憶が活きていたのではないだろうか。若槻男爵の生家・奥村家は、松江藩の武士といっても、最も身分の低い足軽だった』(若槻礼次郎ものがたり・西田典央著)

貧しかった若槻家では、桃や柿などの果実は子供の自由にならなかったという。しかしグミは商品にならないため、礼次郎も食べることができた。その思い出がグミの木へのこだわりではと言われている。

(烏)

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