終局直後
(終局直後のインタビューの様子。報道陣は敗者の背中に回り、勝者の表情を撮影している)
【福間女流王位の談話】
――序盤はどう見ていましたか。
玉を囲うまでが結構怖い形だったので、一手一手慎重に駒組みをしていたんですけど、囲い合って堅さを生かして動いていける展開になったので、まずまずかなと思っていました。
――中盤戦で、端から飛車を成った辺りいかがでしたか。
竜の分だけ、少し指しやすいのかなと思っていました。慎重になりすぎないようにと思っていたんですけど。
――後手から角のラインで攻められる展開になりました。
△5六歩に▲6六銀と取って一瞬、堅さを生かして攻め合ってどうかなと思っていたんですけど。
――終盤はいかがでしたか。
なるべく嫌みを残さないように指していました。
――一局を振り返っていかがでしょうか。
序盤から一手一手考えながら進めていく将棋だったんですけど、自分なりに納得いくような将棋にできたかなと思います。
――開幕直前の挑戦者変更、久しぶりのフルセットとなったシリーズでした。感想を教えてください。
とにかく地方の方々にお世話になって、対局して、感謝の気持ちでいっぱいです。将棋のほうは自分から崩れていくような将棋もあったので、最終局は悔いがないように指せたらなと思っていました。
【伊藤女流四段の談話】
――序盤はいかがでしたか。
似たような将棋は何度かあるんですけど多分、同一局面は指していなくて。早々と福間さんのほうに工夫があったので一手一手考えつつでした。ただ、ちょっと端の位を取られている分だけ(先手の)手が遅れているので、その辺りで勝負できないかなと思いました。
――1筋で動いてから、じっくり組み合う展開でした。
本譜でも戦えるのかなと思っていたんですが、もうちょっと激しく攻めていくような展開もあったのかなと思います。
――1筋は逆襲される流れになりました。
(先手の)竜ができる前に△4六歩を入れるかどうか、悩ましいところがいくつかあって。本譜でも一局かなと思ってやっていたんですが、だんだん苦しいような感じがしていました。
――△8四香から玉頭で反発しました。
あの辺りは一局かなと思ったんですけどね。その後、どこかは具体的にわからないですけど、竜と飛車の差が本譜の展開だと出てしまっているのかなと思いました。
――角筋で玉を攻める展開でした。
手が止まってしまうとまずくなるのかなという感じがありました。角がそっぽにいく感じになっているので、端の嫌みもついていますし、もうちょっと何かなかったのかなという感じではありました。
――△7三金と寄った辺りは。
あの辺りは少し苦しさを意識していました。
――終盤はどういう方針でしたか。
(先手の)持ち駒の香の威力があるのかなと思いました。こっちは脅威が少なかったのかなと。
――全体を振り返ってどうですか。
序盤から未知の局面になって、一手一手考えていきながらだったんですけど、もうちょっとよい順を発見できればもっといい勝負にできたんじゃないかなと思います。
――直前の挑戦者変更から登場したシリーズでした。
突然のことで驚いたんですけど、急遽だったにもかかわらず各地の皆様に温かく迎えていただいてうれしかったですし、応援してくださる方もいましたし、ありがたく思います。
(紋蛇)