対局場である「旧伊藤伝右衛門邸」は、筑豊の炭鉱王と呼ばれた伊藤伝右衛門と歌人柳原白蓮が過ごした邸宅です。長押の木彫や、網代天井など、意匠が細部にわたって上質なものとなっています。広場、中庭、主庭で構成された庭園は2011年に国の名勝に、建物は2020年に国の重要文化財に、それぞれ指定されました。
女流王位戦五番勝負が例年行われています。直近は2年前の第30期五番勝負第3局、立会人をはじめとした関係棋士は本局とほぼ同じ構成でした。
(重厚な正面口「長屋門」。福岡市天神の赤銅御殿から移築された)
【旧伊藤伝右衛門邸】
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(虹)
対局再開の一着を指した局面で、豊川七段と島井女流二段に見解を尋ねてみました。まず調べられていたのは、以下▲2六歩△2四歩▲2一飛成△2五歩▲同歩に△3四銀と引き、続く▲2四歩△2五桂▲2三歩成(変化図)で攻め合ってどうか。後手は△2七歩のたたきを交えて端攻めを決行することになります。見立てとしては難解だそうです。
「変な表現になってしまいますけど、どちらも持ちにくい展開ですよね。47手目▲3一飛を決めてから、49手目▲6八金と手を戻したのが面白い順でした」(豊川七段)
「私は先手のような陣形を持って指すことが多いので、何とかして先手目線で考えたいのですが……。でも形勢は難しいと思います」(島井女流二段)
「難解ホークス……」(豊川七段)