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2012年5月

2012年5月23日 (水)

昼食休憩に入る。再開は13時

_4111時55分頃、定刻よりも少し早いが昼食休憩に入った。両対局者の昼食は「茶寮弁当」。日本料理のお店「茶寮このみ」の仕出し弁当だ。対局は13時に再開する。


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緑の庭園

旧伊藤伝右衛門邸には、柔らかい緑が美しい回遊式の日本庭園がある。この庭園は昨年に国の名勝に指定された。

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旧伊藤伝右衛門邸ギャラリー(3)

■応接間
「腰壁を高く張った本格的な洋間です。マントルピースにはアール・ヌーボー風ビクトリアン・タイルを配し、格調高い英国風の演出がなされています。床は精緻な寄木張り。南側に設けた出窓の欄間に嵌め込まれているのは英国製でダイヤ模様のステンドグラスです」

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■角之間
「5畳ほどの畳敷きの間で、この邸宅の中心に位置します。中ほどに炉が作られた茶室です。天井は網代に組まれ、丸太の長押(なげし)、竹の落掛け、床壁は錆土壁、東に中庭を眺めることができます。渡り廊下の西側中央に横長の躙口(にじりぐち)を設け、その北側に水屋があります」

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駒組みの自由度が問題

_23図は10時45分頃の局面。互いに角道を閉じたことで穏やかな展開に進んでいる。先手は高美濃、後手は銀冠に組み互角の勝負、と思えるが先手陣にはひとつ懸案がある。それは7七桂・8八角の形で、先手は角の活用が難しいのだ。▲9六歩~▲9七角は石田流の型だが、それが後手陣にどれだけ響くか、ということも考えに入れる必要がある。反対に、桂を跳ねていない後手陣は駒組みに多くの可能性を残していて、たとえばこの後に△3二飛とスイッチバックして攻撃形を整える選択肢もある。この自由度の差が今後の形勢にどう結びつくか。いずれにせよ、先手が工夫を求められる展開であることは間違いなさそうだ。


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午前のおやつ

10時30分、対局室におやつが運ばれた。メニューは甲斐女流王位がガトーショコラ、ハーブティー。里見女流三冠はアメリカンカントリーチーズケーキ、ロイヤルミルクティー(アイス)。写真を見ると里見女流三冠のお皿にはケーキが2つ載っているが、これは調査の結果お店の方が「アメリカンカントリー」「チーズケーキ」の2つと解釈したため、と判明した。

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(甲斐女流王位の注文はガトーショコラ、ハーブティー)

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(里見女流三冠の注文はアメリカンカントリーチーズケーキ、ロイヤルミルクティー)

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旧伊藤伝右衛門邸ギャラリー(2)

■玄関
「花崗岩の石貼りの土間、敷居の内側は人造タイル張り、低い上がり段も花崗岩で奢(おご)っています。着物の女性に配慮した低い上がり框(かまち)の組み合わせが、来客を柔らかく迎え入れる雰囲気を作り出しました。正面の額は、書家高田尚周(たかだただちか)の作品です」

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■高田忠周書扁額(たかだただちかしょへんがく)
「右から「和協輯睦」(わきょうしゅうぼく)と読みます。左側は、「丙子初夏日篆 伊藤大人雅属 竹山逸子忠周」(ひのえねしょかじつてん いとうだいじんがしょく ちくざんいっしただちか)と読みます。1936年(昭和11)の初夏に、高田忠親が伊藤伝右衛門に頼まれて篆書(てんしょ)で書きましたという意味です。伊藤大人は伊藤伝右衛門のことです。逸子はまずい書家であると自分を謙遜する言葉です」

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対局者カメラ画像

対局室の様子はこちらから連続静止画で見ることができる。棋譜中継とあわせてお楽しみいただきたい。下の画像は9時55分頃の様子。

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旧伊藤伝右衛門邸ギャラリー(1)

■書斎
「西側に書棚を設け、床は寄木張り。壁は帯を解いた絹の繊維を塗りこめた珍しい布壁です。板戸には背景に金粉を散りばめて四季の草花がが描かれています。制作者は鞍手郡植木町(現直方市)出身で帝展審査員の阿部春峰(あべしゅんぼう)。出窓の欄間には英国製のステンドグラスが輝きます」

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相三間飛車

_14▲7六歩△3四歩▲7五歩。甲斐女流王位が石田流を目指すと、里見女流三冠は△3五歩で「こちらも石田流でいきます」と作戦を明かした。この相三間飛車は、石田流に対して有力な作戦のひとつと認識されている。角が向かい合ったままなので、序盤から激しい変化を内包する戦型だ。後手は△8二銀で銀の使い方を決めている点がポイント。手なりに組めば「金無双」という囲いになるが、壁銀の悪形になるのが気になるところ。まずは二人がどう囲っていくのかに注目だ。畠山七段は「角道が止まったので、ゆっくりした展開になると思います」と話した。


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対局開始

定刻の9時になり、畠山七段が対局開始を告げる。甲斐女流王位が初手に角道を開け、第3局が始まった。

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