カテゴリ「第20期竜王戦七番勝負第3局」の記事 Feed

2007年11月14日 (水)

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渡辺竜王は出だしは苦しいと感じていたようです。72手目△4六角(図)と出たとき、佐藤二冠としては▲4七金と上がって△6四角▲8九飛の進行が勝っていたようです。本譜は▲4七銀引とダイヤモンド美濃に組みましたが△6四角▲7六飛に△2八角成が強烈な勝負手でした。△6四角で1回飛車を寄らせて△8四飛の走りを作ったのが好手順でした。

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図は96手目は△8五龍と引いた局面。ここで佐藤二冠は▲2六歩と受けた手を悔やんでいました。図では▲7四飛と走って飛車を使っておくべきだったようです。もしくは▲3九玉と引いて△7六香に▲7七歩の一歩を残すか、でした。本譜は▲2六歩△7六香▲同飛△同龍と進み、渡辺竜王は「飛車を取ってよくなったと思った」という感想を残しています。▲7六同飛ではまだ▲5九飛と辛抱するべきだったようです。

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最後は差がついたように見えましたが、125手目▲4九歩(図)が佐藤二冠の勝負手でした。△4九同桂成なら▲1三香成△同玉▲3三角!で一波乱あったかもしれません。時間いっぱい使った渡辺竜王の△1四歩が気づきにくい最後の決め手でした。前述の順を消しつつ、▲1四同香なら△2九金▲3七玉△1九角▲2七玉△2八角成▲1六玉△1五歩(この歩を打てるのが△1四歩の効果)▲同玉△2四金▲1六玉△1四金で後手の勝ちとなります。△4九歩を打たずに▲1三香成は△同玉▲3三角に△2九桂成があって成立しません。
秒読みの中▲4九歩に望みを懸けた佐藤二冠ですが、△1四歩の返し技があって功を奏しませんでした。

(桜木)

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(終盤の検討。首を突き出して盤をのぞき込む渡辺竜王。佐藤二冠は足を崩している)

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(感想戦は1時間10分ほど。関係者は20時半から打ち上げとなる)

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(第3局棋譜の原本)

(桜木)

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(終局直後、関係者がなだれ込んで両者にインタビューが行われる)

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(佐藤二冠へのインタビュー)

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(勝った渡辺竜王。感想戦での笑顔が多かった)

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(敗戦に疲れた表情の佐藤二冠)

(桜木)

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竜王戦第3局は19時15分、134手で渡辺竜王の勝ちとなりました。残り時間は双方1分。7番勝負は渡辺竜王の2勝1敗となりました。第4局は11月21・22日(水・木)に 佐賀県嬉野市「和多屋別荘」で行われます。

(桜木)

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この△1四歩に渡辺竜王は残っていた4分をすべて使い、両者ともに1分将棋となりました。△1四歩を▲同香と取ると△2九金から寄りです。時刻は19時10分となりました。
佐藤二冠はすべての指し手を時間いっぱいまで考えています。

(桜木)

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122手目渡辺竜王が△5九角成と指しました。これで後手勝ちの結論です。▲1三香成は△3三玉で捕まりません。控え室は終局を待つ雰囲気です。

(桜木)

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18時45分となり衛星第2放送の竜王戦中継は終了しました。「依然として渡辺竜王優勢です」と最後に森内名人。今晩24時40分から24時55分まで15分間のダイジェスト放送があります。
残り時間は渡辺竜王が10分、佐藤二冠は4分です。

(桜木)

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モニターの中では田嶋三段が佐藤二冠に「残り7分です」と読み上げました。衛星放送の終了時刻は18時45分。その時間に終局するかどうかは現場での大きな目安になるのですが、どうやら放送時間内では終わらないようです。 攻め駒不足の佐藤二冠ですが、気力は切れていないように見えます。

(桜木)