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16時50分ごろ、大盤解説会に日本将棋連盟常務理事の島朗九段がゲストで登場しました。島九段は本局で記録係を務めている三浦三段の師匠です。棋聖戦では第65期五番勝負で羽生棋聖に挑戦しました。対局で高島屋を訪れており、解説会ではそのときの思い出を語っていました。
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14時30分、現地では大盤解説会が始まりました。開始直後から、多くのファンが詰めかけています。永瀬六段が先手番ながら守勢に回っていることで、屋敷九段は「永瀬六段は千日手にしてもう一局指したいということですね」、三浦九段は「羽生さんは千日手にしたくないでしょう。でも、よくするのは大変です。手を作る段階で無理が生じることがありますから」と話しています。
15時、対局室におやつが運ばれました。プリンアラモードと生クリームのロールケーキに、羽生棋聖は紅茶(レモン、ミルク)、永瀬六段はアイスコーヒー(氷なし)を注文しました。
高島屋の周辺には、湯のさと公園や岩室神社など、岩室温泉に関連したスポットがあります。
岩室温泉は正徳3年(1713年)の開湯といわれ、傷ついた数羽の雁が湯浴みをすると傷が治ったことから、「霊雁の湯」の名があります。温泉街には当時の風情が残り、新潟市の奥座敷とも。高島屋から徒歩数分の距離には、岩室温泉の由来を伝える源泉公園があります。
永瀬六段、羽生棋聖の順に対局室に戻り、13時に対局が再開されました。羽生棋聖が再開後の手を指すと、永瀬六段がすぐに次の手を指し、ほどなく羽生棋聖が盤上に手を伸ばして、短い間に3手進みました。
対局場の高島屋は何度もタイトル戦が行われてきた場所。建物に江戸時代の庄屋屋敷が使われ、2004年には国の登録有形文化財として指定されました。ロビーには、過去の対局の写真が飾られています。下の写真は、1986年に行われた第48期棋聖戦五番勝負第3局、米長邦雄棋聖-桐山清澄九段戦。原田九段が立ち会いをしている姿を見ることができます。記録係は高田尚平三段(現七段)。ここ数年の高島屋対局では、第86期、第84期に羽生棋聖が防衛を決めています。
新潟市は新潟県のやや北寄りに位置する県庁所在地。市の歴史は古く、1300年あまり前の大化年間、蝦夷経営の拠点として「渟足柵(ぬたりのき)」が設けられました。江戸時代に港町として整備が進められ、発展してきた歴史があります。市域の大部分は越後平野に含まれ、平坦な地形を生かした稲作が盛ん。日本酒や米菓が特産品です。
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