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2024年7月

2024年7月 1日 (月)

永世称号

「永世」称号は各棋戦によって、獲得の条件が変わります。棋聖位は通算5期の獲得でその資格を得られます。過去には大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人、米長邦雄永世棋聖、羽生善治九段、佐藤康光九段の5名のみです。
永世称号獲得の最年少記録は、中原十六世名人の23歳11か月です。藤井棋聖が今シリーズを制して防衛を決めると、最年少記録の更新となります。本棋戦でタイトル挑戦、獲得、防衛の最年少記録を更新した藤井棋聖は、新たに記録を塗り替えるのでしょうか。

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(武蔵)

手筋の一打

2024070158上図△7七歩は、玉、金、銀、桂の焦点に放つ「焦点の歩」の手筋です。検討では「この歩の対応が難しいのではないか」との評判です。▲7七同玉は△7三飛が王手角取り。玉以外の対応は脱出口が塞がって、△2六角と逆サイドから攻められて都合が悪そうです。
山崎八段は、この局面で残り時間が30分を切りました。時間も懸念材料といえそうです。
Img_9847(大盤解説会場には、澤田七段と佐々木海法女流初段が登壇した。どちらも山崎八段と同門)
Img_9851(佐々木女流初段は、本局を勉強する傍らで、観光も楽しんだという)

(武蔵)

飛車交換に踏み込む

2024070149_256分の長考のあと、△7五飛▲6八玉△4四角▲6六銀△2五飛▲同飛△同桂と進みました。

2024070156山崎八段は小刻みに時間を使うのに対し、藤井棋聖は△4四角に27分を費やしたあと、ノータイムで飛車交換を選びました。自陣の隙を意に介さない順は、局面に自信を持っているからなのかもしれません。
久保九段は△2五同桂に▲4八金を予想しました。「49手目▲8三角は、▲4八金△2八飛に▲3八角成を用意した一着だと思います」と解説します。
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(武蔵)

午後の大盤解説会

Img_9805(くじを引くのは宮嶋四段)
Img_9812(続けて榊女流2級も)
Img_9815(和やかな雰囲気で、解説会は進む)
Img_9826(一方、のぶながホールは村田智穂女流二段が聞き手を務め)
Img_9820(松尾八段が解説していた)

(武蔵)

挑戦者の長考

2024070149山崎八段は56分を費やし、▲8三角と打ちました。飛車が逃げれば▲5六角成と馬を作って、手厚く指す方針です。対して藤井棋聖はノータイムで△7五飛と浮き、△2五飛のぶつけを見せました。以下▲同飛△同桂と交換になれば、△2八飛の楽しみが残ります。
Img_9835(勉強にきました、と藤本渚五段)

(武蔵)

関西将棋会館の大盤解説会

こんにちは。関西中継記者の飛龍です。関西将棋会館では15時から、2階道場奥のスペースで大盤解説会が始まりました。その模様をお伝えします。事前申し込み制で、すでにチケットの販売は終了している点はご注意願います。

Ooban1_2 (スマホで進行を追いながら大盤で振り返る)

Ooban2 (解説の村山慈明八段。挑戦者決定戦後の山崎八段とのエピソードを披露した)

Ooban3(石川優太五段とのダブル解説。村山八段の話に真剣に耳を傾けていた)

(飛龍)

午後のおやつ

15時を回って、午後のおやつが出されました。藤井棋聖は100パーセントオレンジジュース、山崎八段は「いちご羽二重」と100パーセントアップルジュースを注文しています。
Img_9837(藤井棋聖はドリンクのみの注文だった)
Img_9838(山崎八段の注文。パンダのマシュマロはすべての食事に登場した)
Img_9841(小豆こしあんとふわふわの羽二重餅で包む)

(武蔵)

色紙

昨日、前夜祭前に関係者は揮毫を行いました。色紙は大盤解説会などで賞品としてプレゼントされる予定です。
Img_9391(澤田七段)
Img_9389(長谷川女流二段)
Img_9390(榊女流2級)
Img_9393(駒形の色紙が珍しい)

(武蔵)

万松寺でのタイトル戦

万松寺ではこれまで、7局のタイトル戦が行われ、棋聖戦は第90期の第2局と第93期の第4局が指されました。これまでの対戦は、1局の持将棋局を除くと、すべて後手番が制しています。対戦カードは以下のとおり(肩書・段位は当時)。

2018年5月 第76期名人戦七番勝負第5局 ▲羽生善治竜王-△佐藤天彦名人
2019年6月 第90期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第2局 ▲豊島将之棋聖-△渡辺明棋王
2020年7月 第5期叡王戦七番勝負第3、4局 ▲永瀬拓矢叡王-△豊島竜王・名人(持将棋)、▲豊島竜王・名人-△永瀬叡王
2020年10月 第33期竜王戦七番勝負第2局 ▲豊島竜王・名人-△羽生九段
2021年5月 第79期名人戦七番勝負第3局 ▲斎藤慎太郎八段-△渡辺明名人
2022年7月 第93期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第4局 ▲永瀬王座-△藤井聡太棋聖

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(武蔵)

銀交換

2024070144上図は、昼食休憩から△6五歩▲同銀△6四銀▲同銀△同飛▲6七歩△8四飛と進んだ局面です。後手陣には打ち込みの隙が多く、先手は銀交換に応じました。対して後手は飛車が8筋に戻り、▲6八銀には△8八角成▲同金に△6五角(変化図)が、△8七角成と△6九銀▲同玉△4七角成の両狙いとなります。互いにいい分のある中盤戦といえそうです。

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Img_9831(午後になって、控室には佐々木大地七段が来訪した)

(武蔵)

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