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2024年6月17日 (月)

終局直後の対局室

Dsc_8430(勝った藤井聡太棋聖)

【勝った藤井聡太棋聖】
――本局を振り返ってください。立ち上がりはいかがでしたか?
藤井 かなり早い段階で予想していない展開になって。一手一手難しかったです。

――午前中は駒組みが進んでいましたが、山崎八段が△4五桂(38手目)と跳ねました。そのあたりはいかがですか?
藤井 ▲3七桂(21手目)と跳ねたのがタイミング的に早くて。本譜のように進むと先手番としてはあまり主張が作れていないのかなという気がしていました。△4五桂とぶつけられて後手陣が手厚くなってくると自信がない気がしたので、こちらが動いていけるかどうかといった感じになったのかなと思いました。

――山崎八段の△5三桂(44手目)に対して、藤井棋聖は▲3五歩(45手目)と突きました。控室では機敏な一手ではないかと見られていました。
藤井 押さえ込まれてしまうと自信がないので、こちらの玉の堅さを主張できるうちに仕掛けていきたいと考えていました。

――その後はいかがでしたか。
藤井 実戦的にやり過ぎている感じもしたのですが、玉の堅さを生かして攻めをつなげられればというふうに考えていました。▲5五桂(65手目)で攻め合いになったのですが、いきなり激しくなったので、どう見るべきか難しいのかなと思っていました。

――激しくなっていけると判断されたのはどのあたりですか。
藤井 わかっていなかったのですが、▲6四角成(83手目)~▲5三銀(85手目)と押さえていって、後手の攻めが止まっていそうな形になったかなと思っていました。

――一局を総合的に振り返って。
藤井 序盤は少し課題が残るわかれだったのかなと思いますが、中盤以降はなんとか攻めをつなげていくことができました。

――開幕連勝で永世棋聖の有資格となる5連覇まであと1勝としました。
藤井 シリーズ中はあまり意識せずにと思っていますし、第3局は後手番になるので、よりしっかり準備しなくてはいけないのかなと思っています。2週間弱開くので、しっかりと状態を整えて臨みたいと思います。

Dsc_8444(敗れた山崎隆之八段)

【敗れた山崎隆之八段】
――本局を振り返ってください。立ち上がりはいかがでしたか。
山崎 後手番ということで前日までずっと悩んでいたのですが。向かい飛車ではないのですが、似た形を指したことがあって、それを工夫したらどうなるのかなと思って何局か練習して。なにが通用するかわからなかったので採用してみました。後手番なので序盤戦はじっとしておく想定だったのですが、昔は桂を跳ねたような気がして。思い出して桂を跳ねたのですが、関連性が……。玉を守る手を指しておけばよかったのですが、組み合わせが予定と違って。千日手狙いになってしまうので行きたくなってしまったのですが、玉が薄いまま攻めてしまったので、藤井棋聖にとがめられたかなと。攻めていく気なら△6二金や△8四歩などがもっと価値の高い手になるので、いい勝負になったかもしれませんが。そのあとまとめ方が難しくて、対局中にこう指しておけばまだ苦しいながらもという順がありましたし、後悔をしながら指していました。なんとか耐えようと思っていたのですが、▲3五歩(45手目)と突かれて。桂を跳ねて攻めたのですが、受け身になってしまって。もっといい耐え方があったかなと。序盤戦がすごくもったいなかったかなと思います。

――▲3五歩のあたりはいかがですか。
山崎 私の力不足で、先攻されてからは苦しいと思っていました。どれがいちばんチャンスがあるかなと思いながら指していたのですが。長引かせるだけではチャンスはないのかなと思って切り合いにいったのですが、1手ずっと足りないなという感じで指していました。

――本局に敗れて連敗になってしまいました。
山崎 模様を取ってはいるのですが、まとめきれないのは自分の実力でもあるし、しっかりとがめられています。藤井棋聖の強さを感じるところでもありますね。序盤、中盤の精度をもっと上げていかないと、チャンスのある局面をなかなか作り出せないなと感じています。

――第3局は先手番になります。
山崎 追い詰められてはいますが、先手番ということでよりしっかりと準備をして、やってみたい作戦を考えます。その中で自分自身がまだまとめきれていないので、3局目はまとめきってよりいい将棋にしたいと思います。

Dsc_8439(終局直後の対局室)

(琵琶)

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