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2021年6月 2日 (水)

里見香奈女流王位記者会見

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感想戦のあと、場所を変えて記者会見が行われました。

――挑戦者の山根女流二段との五番勝負を振り返って。
里見 山根さんは幅広い戦型を指されますので、相振り飛車の定跡形になるのかなとは予想していました。やっていく中で、山根さんの棋風を知っていくというか、対局数が多くはなかったので手探りな部分もありました。

――今回のシリーズを勝ちきることができた要因。
里見 第1局と第2局は終盤戦が難しくて。でも時間を残していたので。時間配分に助けられた部分はあるかなと思います。

――防衛について率直な心境。
里見 対局直後なので、気持ち的にはホッとしています。

――通算44期について。
里見 大変光栄なことだと思っております。

――通算44期を実際に達成しての実感は。
里見 すぐに実感はありませんが、こういった記者会見の場は実感できるところかなと思います。

――印象深いタイトル戦は。
里見 フルセットになったタイトル戦もたくさんありまして、それは記憶に強く残っています。そういう経験をさせていただけたのは、自分にとって貴重な時間だったかなと思います。

――女流王位戦の中で印象深い場面。
里見 やはり失冠したタイトル戦が印象に残っていまして、甲斐さん(智美女流五段)と渡部さん(愛女流三段)と戦わせてもらいましたけれども、自分の弱さが分かったというか、それが自分にとってよい勉強材料になると振り返ってみて思います。

Img_7455(感想戦後に揮毫した色紙を持って)

――どのような活躍を目指しているか。
里見 女流王位を獲得したことで王位戦の出場権も得ましたので、そういった棋戦でも一生懸命戦えればなと思います。

――女流棋戦が八大タイトル戦になった。第一線としてどうしていきたいか。
里見 私が女流棋士になった当初より、棋戦がいくつも増えました。非常にありがたいことだと思っています。そのうえで私自身も地力をつけつつ活躍して、女流棋界が発展していけば。それを客観視できるほどの余裕はありませんが、日々精進していきたいなと思います。

――公式戦で活躍すればプロ編入試験という選択肢も見えてくる。
里見 いまはあまり考えてはいないですね。地力をつけて、棋戦で勝てるように頑張っていきたいと思います。

――タイトル獲得について、いちばんうれしかったタイトル、自信がついたタイトル、これから先いくつ獲りたいか。
里見 うれしかったのは、パッと思い浮かぶのは初戴冠の倉敷藤花、それと女流名人を初めて獲得できたときも印象に残っています。自信については、フルセットまで戦ったタイトル戦は精神的にも成長できたのではないか。また、数値に執着することがこれまでなかったように、これからも目の前の対局に向かって頑張っていきたいです。

――これまでの歩みをどう感じているか。
里見 いろんな経験をさせていただきました。その中でひとつ励みになったのは、地元があるということです。後援会も作っていただいてますし、そういった自分の帰るべき場所があるというのはひとつの強みかなと思います。

――20代で今回の記録を達成した。プレイヤーとしていまの年齢をどう感じているか。
里見 10年前に大阪に出てきて、将棋に打ち込む環境になったわけですけれども、当時の自分よりは成長できているかなと思います。こうして結果がついてきたことはうれしく思います。より棋力向上に努めないと厳しくなっていくと思うので、そのあたりを自分なりに考えて勉強していきたいです。

――マイナビ女子オープンで西山朋佳女王が防衛し、全棋戦でタイトルに絡んでいきたいという言葉があった。脅威であったり、刺激であったり、何か意識はしているか。
里見 西山さんが女流棋士に転向されまして、前々から公式戦でも活躍されています。ほんとに刺激になりますし、頑張らないといけないなと思わされます。そういう気持ちを持ちながら日々勉強して、地力をつけていきたいです。

――清水市代女流七段の通算期数を抜いた。そのことについての心境。
里見 いまと時代や棋戦数が違いますし、比較はできないものだと思います。清水さんはその素晴らしい人間性だとか、私がすごく尊敬している先輩です。少しでもそういった部分でも成長できればと思っています。

以上で第32期女流王位戦五番勝負の全日程を終了致します。
ご観戦いただきまして、誠にありがとうございました。

(虹)

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