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2020年6月 5日 (金)

終局直後

Dsc_15141 (防衛に向けて幸先のよいスタートを切った里見香女流王位)

Dsc_15191 (敗れた加藤桃女流三段)

Dsc_15351 (勝者の里見香女流王位から主催者インタビューに応じる)

◆里見香女流王位の談話◆
――4月に予定されていた開幕が2ヶ月ほど延びての対局となりました。この2ヶ月をどのように過ごして、今日、盤の前に座りましたか?

里見香 対局の間隔がかなり空いていて、実戦感覚の面では不安はありましたが、準備の面では自分のペースで勉強できていました。 

――本局は先手中飛車から、かなり早い段階で端攻めに出ました。

里見香 1歩手に入ったので、攻めていってどうなのかなと。

――控室では、後手の△1四香(52手目)はうまい受けではないかという評判でした。この辺りはどのように感じていましたか?

里見香 全部の駒を使ったうえで端攻めができていたので、難しいながらも面白いのかなと思っていました。

――その後は後手もしぶとい受けで応戦してきました。

里見香 そうですね。すぐにはっきりよくする順が見つからなかったので、途中はちょっとおかしなところがあったかもしれません。難しいと思って指していました。

――△6七飛成(86手目)に▲3三角成といったところは随分華々しい切り合いでしたが、あの辺りはいかがでしたか?

里見香 ちょっといいのかなと思って、いきました。こちらへの有効な攻めが見当たらないかなと思っていたので。

――手応えを感じたのはどこでしょうか?

里見香 最後の最後ですね。▲2五銀(95手目)と打って、こちらに迫ってくる手がないのかなと。

――開幕直前には持ち時間4時間の将棋で全力を出したいと話していましたが、本局、久しぶりのタイトル戦はいかがでしたか?

里見香 途中の分岐点ではどちらを選ぶべきか微妙なところもありましたが、一手一手しっかり考えて指すことができたと思います。

Dsc_15471(続いて、加藤桃女流三段)

◆加藤桃女流三段の談話◆

――序盤は早いペースでの進行でした。最初にまとまった時間を使った△7四歩(38手目)までは想定の範囲内でしたか?

加藤桃 後手番になったら、里見さんのほうは中飛車をやってくると予想して、漠然とこんな感じかなと思っていました。△7四歩に21分使ったのは、作戦の分岐点かなと思ったので。……そうですね、ちょっと、研究範囲ではあったんですけど、自分の指したい手を優先してしまって。端を攻められたのが意表を突かれたというか、びっくりして。

――△1四香(51手目)や△3三桂(60手目)は、苦心がうかがえながらも加藤女流三段らしい柔軟な対応ではないかという控室の評判でした。ご自身では局面をどのように認識していましたか?

加藤桃 そうですね。確かに▲4五歩(50手目)が予想外だったので、△1四香で受けきれるのかなと思っていたんですが、実際によく考えてみると難しくて、本譜はあまり本意ではない指し方になって、支離滅裂になってしまいました。

――昼食休憩の前後は、難しいと思って指していたということですか?

加藤桃 昼食休憩の辺りは少しだけいいのかなと思っていましたが、うまい手を見つけることができなくて焦っていたというか。何か悪かったかなと思って、開き直って指していました。

――△6七飛成▲3三角成の辺りはどのように見ていましたか?

加藤桃 里見さんの▲4八金(81手目)がすごくいい手で、△1二歩(80手目)が悪手だったということを知って後悔していました。里見さんのほうから▲1二歩と垂らされるのを嫌って打ってしまったんですけど、もう少しほかの手を探さないといけませんでした。

――開幕前のインタビューでは、力いっぱい指したいと語っていました。第1局を終えて、いかがですか。

加藤桃 少し崩れたところで粘ることはできましたが、全体的に、魔法にかかってしまったような感じであっという間でした。

(睡蓮)

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