◆加藤桃女流三段の談話
――本局を振り返って、いかがですか。
加藤 ▲2三香(39手目)と打つ順は数年前に考えたことがあって、思い出しながらやっていました。攻める展開でペースを握れそうなのでやってみたんですけど、実際のところはどうだったのかは分かりません。本譜はうまく攻めが続いたのかなと思います。
――終盤はかなり慎重に指されていたようです。
加藤 そうですね。すぱっと決める順が分からなかったので、確実な攻めでいこうかなと思いました。
――女流王位戦は今期が初参加です。ここまでの道のりはいかがでしたか。
加藤 公式戦では初めてのリーグ戦で、1敗したところは挑戦者決定戦に出られるのか不安でしたが、なんとか前向きな気持ちで指せて、二つ白星を重ねられたのはよかったと思います。
――里見香奈女流王位への挑戦が決まりました。意気込みをお願いします。
加藤 里見女流王位と盤を挟むのは久しぶりなので、挑戦者ですけれども、当たって砕けないように、勢いよく指していきたいです。
◆伊藤女流三段の談話
――先手に▲9一角成(37手目)と角を切ってこられた辺りは、局面をどのようにご覧になっていましたか。
伊藤 本局の進行は想定していませんでした。▲2三香と打たれたところは手が広くて、本譜の順がいいように見えたのですが、すっぽ抜けてしまって。そこからは収拾がつかなくなってしまったので、もっと前に何かましな順があったのかなと思います。
(睡蓮)
▲加藤-△伊藤戦は81手で加藤桃子女流三段が勝ち、タイトル挑戦を決めました。終局時刻は14時44分。消費時間は、▲加藤1時間24分、△伊藤2時間9分(持ち時間は各3時間)。
(牛蒡)