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2019年6月

2019年6月13日 (木)

新女流王位インタビュー

Img_8747_i03 (感想戦から少しの間を置いて、改めて里見香奈新女流王位の取材があった)

――本局で勝勢を意識したのは。
里見 最後のほうですね……対局中は相手が投了するまで気が抜けませんので。最終手△9七歩で攻める番がやっと回ってきました。

――渡部先生について。
里見 中盤で手を作る段階での読みの精度が高い、というのをすごく感じました。どうやって手を作られるのかな、という局面でうまく均衡を保たれますし、こちらがよくなったときもそういう形で指されたのが印象深いです。

――前期に失ったタイトルを奪還しました。いまのお気持ちは。
里見 全体を通して、よくなった局面で間違えてしまうことがありました。ただ、ひとつのミスで止められたことはよかったかなとも思います。

――新元号「令和」になって初めての女流王位です。
里見 そういう面でも注目していただけるのは大変うれしいことです。また女流王位は、王位の先生との記念対局がありますので、それがひとつのモチベーションになりました。

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――足の捻挫が影響したまま対局が続いています。
里見 自分の不注意で昨年末にケガをしてしまいました。関係者の皆さまには申し訳ない気持ちと、毎回座布団などを多く用意していただいたことへの感謝の気持ちがあります。ケガのあとはしばらく動けませんでしたが、母に周りのことを全部してもらってすごく助かりました。

――第12期マイナビ女子オープン五番勝負で敗れたあと、どうやって切り替えたのか。
里見 内容的にも自分のミスが目立ってしまったことが多かったので、何とか修正できるように、という気持ちで勉強してきました。

――対局スケジュールが混んでいます。
里見 かえってそれがよかったのかなと。目の前の一局一局に集中できました。ありがたいことだと思います。

Img_8855_i02 (リクエストに応えてメガネを外すシーンも)

――女流五冠になりました。史上初の女流六冠に向けて。
里見 もうひとつのタイトル(ヒューリック杯清麗戦)は挑戦者になったわけでもありませんので、特には考えていませんね。

――クイーン称号の獲得数で清水市代女流六段に並びました。
里見 結果がついてきたことがうれしいですし、そういった記録で並ばせていただけたこともすごく光栄です。

以上で、第30期女流王位戦の中継はすべて終了となります。
ここまでご観戦いただきまして、誠にありがとうございました。第31期もどうぞお楽しみに。

(虹)

感想戦

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Img_8679_h01 (感想戦は17時35分まで行われた)

感想戦後、里見新女流王位に改めてインタビューが行われました。

(虹)

局後インタビュー

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――本局を振り返って
里見 昼食休憩あたりは難しく、自信を持っているわけではありませんでした。途中で角を手持ちにできた局面は指しやすいと思いました。

――シリーズを振り返って
里見 大きなミスもありましたが、ミスをしても持ち直せたのがよかったです。

――クイーン王位について
里見 とても光栄なことです。

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――本局を振り返って
渡部 中盤で誤って、形勢に差がついてしまい……情けない内容にしてしまいました。

――シリーズを振り返って
渡部 また里見さんと対局できることを楽しみにしていましたし、どれぐらい戦えるものかと準備してきたのですけど、実力がまだまだ足りないなと感じました。

(虹)

終局直後

Img_8566_e_sato (前期、この地で失冠した里見女流四冠。リベンジを果たして新女流王位に)

Img_8537_e_wata (敗れた渡部女流王位は初防衛ならず)

Img_8578_e_heya (感想戦の前にインタビューが行われた)

(虹)

里見女流四冠勝利

_96第30期女流王位戦五番勝負第4局の▲渡部-△里見戦は、里見女流四冠の勝ちとなりました。終局時刻は16時47分。消費時間は▲渡部3時間45分、△里見2時間21分(持ち時間各4時間)。本局の結果、里見女流四冠が五番勝負を3勝1敗で制し、女流王位に返り咲きました。また、通算5期で「クイーン王位」の称号を獲得しました。

(虹)

バタバタと

_90両者の読み筋がかみ合ったのか、5筋と9筋で細かなやりとりが一気に行われました。これで里見女流四冠は角と歩の駒得。渡部女流王位は後手玉が薄いうちに追撃して、駒損の分を取り返したいところですが、その具体的な手段やいかに。

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(虹)

徳島市の街並み(3)

Img_7845_t1 (滝の焼餅)

前述した「眉山」と「滝の焼餅」に縁ある甘味処がありました。店内を通ると庭があり、そこには小さな滝が流れています。さだまさしさんの小説『眉山』で題材になったものだということです。

Img_7808_tn1 (風情ある庭。滝は写真中央よりやや上に、かなり小さく流れている)

Img_7861_tn5 (店内には多数の書籍。どれもこの地に縁がある)

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【撮影協力:和田乃屋本店】
https://wadanoya.com/

(虹)

渡部女流王位、残り1時間を切る

_67この桂跳ねで、消費時間は▲渡部3時間2分、△里見2時間17分。渡部女流王位が残り1時間を切りました。このあと、里見女流四冠はノータイムで68手目△3三角を着手。控室では「読み筋だったんだね」と武市七段が声を上げました。

Twi_abeken_mini_3■Twitter解説■
阿部健治郎七段>▲8五桂を見て△3三角と戻りました。香取りが受けにくいです。7七の地点に駒を打つしかなさそうです。節約して▲7七桂は△同角成▲同玉△6五桂で寄り形です。里見女流四冠の緩急自在な指し回しが光ります。(後手優勢)

Img_8283_z_wata (朝の渡部女流王位)

(虹)

徳島市の街並み(2)

Img_7790_bizan02 (錦竜水)

眉山麓にある湧水。江戸時代には徳島城下の人々の飲料水として売られていました。歴代の徳島藩主が愛用し、水番所を置いて保護。1976年に水脈が途絶えましたが、「名水阿波錦竜水保存会」による復旧工事で1987年に復活しています。現在では名水として市民に慕われ、また名産品「滝の焼餅」や酒の製造にも利用されています。

Img_7780_bizan01 (眉山と、麓にある阿波おどり会館。ロープウェイが利用できる)

(虹)

長考の末に

_64 里見女流四冠は40分近い長考を挟んで、しつこく5筋を攻め立てていきました。▲5六同銀には△同飛で、5八金に当てるだけではなく△3六飛の転回も狙えるため後手好調です。また△4七金▲同金△3八角の筋もあるため、ただ5筋に駒を足すだけでは受けきるのが大変です。

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Img_8524_h1510c (鹿野女流二段はパソコンでここまでの進行を再確認中)

(虹)

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