武市七段が予想していた進行です。ここで△5七歩成▲同金直に△5六銀直と踏み込む筋が考えられ、「そうなると一気に終盤戦ですね」とのこと。13時50分、実際に△5七歩成まで進みました。果たして里見女流四冠は決戦策を採用するのでしょうか。また、Twitter解説の阿部健治郎七段はこの踏み込む筋があるということで、形勢判断を「後手優勢」に変えました。
(継ぎ盤を動かす武市七段)
「進行の一例として、△5七歩成▲同金直△5六銀直▲同銀△同銀▲同金△同飛に▲4五銀(変化図)で粘ろうとするのは、以下△8八金▲6九玉に△7八銀から清算して後手の攻めが決まります。なので先手は、一直線には進められません」(武市七段)
(虹)
対局再開の一着は▲6六角でした。自陣の角を移動して中央を手厚くしていますが、後手の攻め駒が当たりやすくもなっています。控室の武市七段は△5五銀打を候補手に挙げました。
(再開直前の渡部女流王位。里見女流四冠よりも先に対局室入り)
(昼食前に考慮を続けていた里見女流四冠は、12時50分に戻ってきた)
(再開の合図から3分ほど読み直し、渡部女流王位が47手目▲6六角を着手した)
■Twitter解説■
阿部健治郎七段>▲6六角は当たりが強くなるので浮かびにくい手です。玉を広くしながら、端攻めを含みにしています。▲6六角に代えて、▲4五桂も普通の手でした。以下△同銀▲3三角成△同金▲4五銀(変化図)となりますが、駒と手番を渡すので指しにくそうです。(互角)
(虹)
直前の△5四桂で6六銀と4六銀の両取りを里見女流四冠が掛けたところ、渡部女流王位は14分の考慮で▲5五銀左とぶつけていきました。控室では下記のように、形勢判断が分かれています。
「先手は端歩を突き越しているのが主張ですが、ここで4六銀を取れば▲桂△銀の交換で後手が駒得になります。その駒得のほうが大きいと見ますね、後手を持ってみたい局面です」(武市七段)
「同じく、私も後手持ちです」(鹿野女流二段)
「私が居飛車党ということもありますが、▲桂△銀の交換はそれほど先手が損とは思いません。9筋の端歩のほうが大きなポイントと見て、先手を持ちたいですね」(清水女流六段)
■Twitter解説■
阿部健治郎七段>△5四桂は地味ながら駒得を狙った両取りです。ただ、この戦型では駒損でも居飛車が歓迎するケースがあります。銀が1枚盤上から消えることで、陣形が軽くなる意味があります。(40手目△5四桂での解説から抜粋)