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(中座七段と久津女流初段は113手目▲7四同銀に△2五桂の攻め合いを示していた)(銀杏)
攻めたり受けたりのねじり合いが続いています。106手目△8四歩は懐を広げた一手で、ここは甲斐女流王位が受けています。「▲8五歩△同歩▲8四歩を狙うのは▲8五歩の瞬間が甘いので打ちにくいです」と大盤解説会の中座七段。ただし、▲8五歩以下△2五桂▲8四歩△3七桂成▲同桂の進展は▲6四桂の王手も厳しいので難しいようです。実戦は図で▲7四歩、里見女流名人は後手の玉頭を攻めかかりました。「後手は先手側に手が向かっていないのが痛いです」と控室の青野九段。(銀杏)
図は77手目▲3四角の局面。ここから△4二金▲6五歩△2四飛▲2五角△同飛▲3七金と進みました。先手は駒損した上に後手を引いています。実戦は▲3七金から△5四歩▲6四歩△同銀▲4四角△2一飛▲4五桂(2図)に進みました。中座七段は「形勢は難しいですが、相手の攻めを受け入れて指す甲斐さんらしい展開になってきました。先手を持ってあまり自信がありません」という見解です。(銀杏)
(中座門下の広森航汰5級が控室へ。師弟で検討する)
(青野九段がゲスト出演。「昨日は旭山動物園に行って、クマやペンギンを見てきました。対局に話を移しますと、二人はタイトル戦を数多く指していて、慣れていますね。この2・3年ほどで女流棋士の対局のレベルが非常に上がりました」と青野九段)(銀杏)
図は75手目▲6三歩の局面。この数手前は間合いを詰める渋い応酬が見られました。青野九段は「先手が後手の攻めをかわしています」と局面について話していました。▲6三歩は取ってくれれば▲6五歩から▲6四歩が金に当たる意味があります。控室では△6三同金左▲6五歩△3七歩▲4七玉△2七銀成に▲2三歩△同飛▲4一角や▲6四歩△同金▲4四角△同銀▲3一角が調べられました。実戦は△6三同金直でしたが、やはり▲6五歩の筋はあります。(銀杏)
現地では15時から大盤解説会が始まりました。解説は中座七段、聞き手は久津女流初段です。14時15分ごろの扇松園ではすでに50人以上が開場を待っていました。女流王位戦では初めての旭川対局を地元ファンの皆さんが待っていた雰囲気が感じられました。旭川市は故・小野敦生六段の出身地で、現在はメモリアル大会が夏に行われています。(銀杏)
(早くもほぼ満員。記者が撮影した後ろにも多くファンが観戦している)
(熱弁振るう中座七段)
(聞き手の久津女流初段の後ろにはパソコンが置かれていて、棋譜中継を通して情報を入手できるようにしている。ネット中継が始まるとともに、大盤解説会の形も変わってきた)
女流王位戦では対局室に静止画カメラを設けて、対局者の表情や様子を追っています。(銀杏)(甲斐女流王位)
扇松園の近くに北海道伝統美術工芸村があり、 敷地内には優佳良織工芸館、国際染織美術館、雪の美術館があります。雪の美術館は映画『アナと雪の女王』の影響で、来客数が増えているとのことです。
(雪の美術館。結婚式場としての利用も増えているという)
(優佳良織工芸館。優佳良織(ゆうからおり)は旭川市の染織作家である木内綾さんが創作した織物。素材は羊毛)
(国際染織美術館)(銀杏)
午後のおやつは甲斐女流王位がフルーツの盛り合わせ。里見女流名人がトマトジュース。高浜女流3級はロールケーキと紅茶。(銀杏)
(紅茶は冷めないように対局室へ入る直前に入れる)
(扇松園にある蕎麦処「そば扇」。江丹別そばで人気のあるお店だ。今日の昼食時もにぎわっていた)
(扇松園前という路線バスのバス停がある)
(すぐ近くに高砂稲荷がある)(銀杏)