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1図から後手が技をかけにいった。△2七歩▲同飛△2六歩▲同飛△4五銀▲同歩△2六角▲2三歩成△4五桂▲6九歩(2図)。手順中の△4五桂が「味のいい手」で、歩切れを解消しながら桂を逃がしている。駒割りは飛銀交換で後手の駒得。どこかで△8二玉と自玉を安定させる手もある。鈴木八段や先崎八段は後手持ち。横山六段も「後手やや有利」と判定している。
(再開直後の甲斐智美女流四段) (同じく里見香奈女流王位)
(牛蒡)
(安食総子女流初段が来訪) (鈴木八段の検討を聞いている) (片上大輔六段も控室へ。片上六段は日本将棋連盟の理事でもある) (しばらくして先崎学八段が登場。継ぎ盤の前に座った)
(里見女流王位は再開後も考慮を続けていた)
(特別対局室。将棋会館では最も格式の高い部屋だ) (昼食休憩時点の盤面) (駒の作者は大竹竹風師) (書体は菱湖書)
里見女流王位は「うな重・梅」(ふじもと)。ごはんは少なめとの注文だった。甲斐女流四段の注文は「わかめうどん」(ほそ島や)。
(うな重・梅のごはん少なめ) (わかめうどん)
図の局面で昼食休憩に入った。 休憩までの消費時間は▲里見1時間13分、△甲斐1時間23分(持ち時間、各4時間)。「午前中から駒がぶつかって激しい将棋になりました。形勢は互角ですが、ここからの数手で形勢に差がつく可能性が高いと思います」(横山六段)
11時25分ごろ、先手は▲9三歩成と成り捨てた。後手陣を乱す狙いだ。控室の検討手順は▲9三歩成△同玉に(1)▲6七銀△同銀成▲同角△8二玉(参考図)。この変化は後手がうまくいなしているのではないか、というのが鈴木八段の見解だ。参考図で銀取りを受けて▲9四歩は歩切れになる。Twitter解説の横山六段は▲9三歩成△同玉に(2)▲8六銀を指摘している。横山六段の見解は「互角」。
(継ぎ盤に示された一変化。後手陣を指さして「これが堅いよね」と鈴木八段)
(北島忠雄六段が控室へ) (北島六段)
双方とも積極的に動いた本局。後手は先手陣を乱すことに成功。さらに美濃囲いを構築するなど、王道の駒組みを続けている。6六銀は5五の地点に引く余地があるのでタダで取られることはなく、8四角の風通しも悪くない。落ち着いた展開になれば、後手陣はどんどん好形になりそうだ。先手はそうなる前に動く必要があり、忙しい局面といえる。 そこで里見女流王位は図から▲9五歩と動いた。端でどれだけの戦果をあげられるか。
(序盤戦は甲斐女流四段がうまく立ち回っている)(牛蒡)
(棋士は鈴木八段のみだが、その話術に控室は朝から盛り上がっている) (継ぎ盤は38手目△7四歩で止まっている)