女流王位戦中継Blog

第１局　４月25日（木）　兵庫県姫路市「夢乃井」
第２局　５月９日（木）　北海道苫小牧市「グランドホテルニュー王子」
第３局　５月22日（水）　福岡県飯塚市「旧伊藤伝右衛門邸」
第４局　６月５日（水）　徳島県徳島市「ホテルクレメント徳島」
第５局　６月17日（月）　東京都渋谷区「東京・将棋会館」

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■甲斐智美女流四段
――　一局を振り返っていただいていかがでしたか。
甲斐　銀冠を目指すのが危ない手で、▲４五銀（31手目）と出られて収拾がつかない形になってしまって。なんとか粘って、という感じの将棋でした。
――　終盤はどうでしょうか。
甲斐　（先手の）攻めが切れないのでずっと負けだと思っていたんですけども、△５八同香成（94手目）で勝負になったと思いました。そこまではずっと決められてもおかしくない状況が続いていました。
――　里見女流王位との五番勝負に臨むことになりますが、抱負をお願いします。
甲斐　また五番勝負に出ることができて大変うれしいです。精一杯指したいと思います。

■中井広恵女流六段
――　一局を振り返っていただいていかがでしたか。
中井　そうですね、うーん……。いろいろ決め手がありそうな感じはしたんですが、ちょうど終盤時間がなくなってしまって。どこかで決断していかなきゃいけなかったと思うんですけど……。形勢がだいぶいいと思っていたので、あまり無理しなくても、と思っているうちにだんだんおかしくなってしまった気がします。

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116手まで甲斐女流四段が制し挑戦者に決まった。終局は18時９分。消費時間はともに２時間59分。里見香奈女流王位と甲斐智美女流四段の女流王位戦は４月25日（木）兵庫県姫路市「夢乃井」で開幕する。

互いに１分将棋に入り局面は慌ただしく動いている。△４七角（図）は６五の桂を狙いつつの攻防手だが、先手にも▲８三角という返し技があった。これは逆に▲７三桂成～▲４七角成と角を素抜く筋を狙っている。大技が飛び出す終盤戦。以下△４八飛▲５八歩△同香成▲同金上△同角成▲同金（下図）と進んだ。

以下△５八同飛成▲７七玉に△７一玉！が早逃げの好手で、先手は駒を渡さずに後手玉に迫れない。後手の勝ち筋では、との声が出て継ぎ盤の駒が動かなくなった。
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△６三銀（図）には▲１四飛△同歩▲３四歩で先手から確実な攻めが見込める。玉頭のキズもあり、「後手が勝ちにくいのでは」と言われていたが、中井女流六段の指し手は▲６六飛。これには△２三角が攻防手で、「難しくなったのでは」と控室で声が上がった。桂頭のキズを消されてみると、先手からは思ったほど攻めがない。ねじり合いが続きそうな予感だ。

（控室では田中寅彦九段＝右が検討に加わっている）

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甲斐女流四段は△５二歩（図）と受けた。▲５四成香なら△６三歩で成香が助からない。だが、ここで▲３八飛△４七馬▲３三飛成△同銀▲８六桂という決死の攻めがある。「後手は受けきれるかどうかギリギリに見えます」と千葉六段。しのげば形勢は後手に大きく傾きそうだが、先手も８筋に作った拠点が切り札だ。際どい終盤戦になっている。
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（17時頃の対局室の様子。中井女流六段は１分将棋に入っている）

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△４六馬と好点に引くことができ、後手が盛り返してきた。控室では「先手よしながら差は縮まった」「この程度の差はすぐにひっくり返る」と言われている。


（16時40分頃の控室。真田彩子女流二段＝左、千葉六段＝右が検討に参加）

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甲斐女流四段は時間を使って△３三桂（図）と力をためた。すぐに次の狙いがあるわけではなく、手を渡す動きだ。すぐ△３六銀は▲２二飛成と成り込まれてしまうので、できるだけ遅らせたいと考えているのだろう。「角も銀も使えていない状況で手を渡すのは勇気が要りますね」と話すのは千葉幸生六段。ここで先手に△３三桂以上の有効手があれば、はっきりとペースをつかむことができるはずだ。形勢は後手がやや苦しいと見られているが、甲斐女流四段は粘り強く指している。

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